2017年03月01日

【日記】灰の水曜日

今日はカトリックの典礼暦で「灰の水曜日」である。

今日、と書いたが、毎年、この日は移動する。移動祝日である復活の主日の46日前、と決められているからである。
例年だと、だいたい二月中旬にこの日がくることが多く、三月に入ってからというのは、かなり遅い年だという感覚。もっとも二年後の2019年の灰水(と略すのが教会用語)は3月6日なので、まだまだ遅い年もある。
理論上、一番遅い復活祭は4月25日となるので、3月10日が一番遅い灰水となる。ちなみに2038年がその年とのこと。あと21年後だが、それまで、わたしは生きているだろうか……。なんとAndroidのカレンダーアプリ「ジョルテ」で見てみようとすると、ちょうど2037年12月31日以降が表示されないのであった。

灰水ミサでは、「灰の式」という、前年の受難の主日に配った祝福された棕櫚の葉を燃やして灰にし聖水で練ったもので、信者の額に十字架を記す儀式がある。

このとき司祭は「回心して福音を信じなさい」あるいは「あなたは塵であり、塵に帰って行くのです」との言葉をかける。
人間も所詮は土から造られた存在、いつかは土に帰るのだ。
とても厳粛な気持ちになるひとときである。

この灰の練り方がいまいちだと、額に十字架を記してもらっても、ただの黒い汚れになってしまう。写真はわりとうまく記されたときのわたしのおデコである。



この時期、額を煤けて歩いている人がいたら、もしかしたらカトリック信者で、灰水ミサの帰り道かもしれない。
けっこう海外でも、この「十字架が綺麗に描かれない」ことでショボーンとなってしまう人はいるらしく、以前、海外の四コママンガで、司祭がテンプレートを使って信者の額に灰を塗っているものを読んで、「いいね」と笑ってしまった。

今日を境に、教会は四旬節に入る。悔い改めと節制の期間である。ミサの典礼色は紫に変わり、栄光の賛歌は歌われなくなる。

また、灰水は「大斉・小斉」である。つまり食事の量を控え(大斉)、獣肉を食べない(小斉)日である。実はカトリック信者にとっては四旬節以外も毎金曜日は小斉である。
四旬節中、カトリック信者の多い都市では、節制のためハンバーガーの売り上げが落ちるので、マクドナルドは魚肉のフィレオフィッシュをつくったのだそうだ。

ちなみに、その節制の期間に入る前に莫迦騒ぎの仕納めをしておこう、というのが「カーニバル」である。

(ベルリーナさん大興奮中)
灰水の直前の火曜日は「ファット・チューズデイ」とも言われる。脂っこいものの食べ納め、ですな。

わたし自身は、普段から大斉生活を送っているようなものなので、正直、あまり気にしたことがない。病人は除外されるしね。

カトリック信者として、典礼暦の中で生きていると、気分はもちろん体調も、不思議とこの典礼暦に影響を受ける。今年の復活の主日は4月16日である。
毎年、灰の水曜日から復活の主日までは、心身とも匍匐前進という感がある。去年も一昨年もその前も、体調を崩して寝込んでしまうこと度々であった。

とにかくあと46日間、辛抱、辛抱の日々である。
主イエスの受難の一歩一歩を、頭に思い描きながら――。
posted by 結城恭介 at 08:00| 日記