2017年04月21日

【回想録】怪獣映画の思い出

「♪大きな山をひとまたぎ、キングーコングがやってきた」

続きはJASRAC的なアレで書かないが、わたしはこれの一番を最後まで歌える世代である。思い出的には、小学生の頃、春休みに昼間にヒマしているとき、チャンネルをガチャガチャ回して子ども向けの番組を探して観ていた、という感じ(ぜんぜん違うかもしれないが、これは思い出補正なのでその点ヨロ)。
この時間帯は、他には「出てこいシャザーン」とか「サンダーバード」とかもやっていたと思う。で、そのラインナップの中で、キングコングは、正直、あまり好きではなかった。面白いとは思わなかったのだな。

というわけで、これは映画館で、「キングコング――髑髏島の巨神――」の開場待ちの時間中に書いている。観る気はなかったのだが、空き時間にタイミングよく観られる映画がこれしかなかったのだ。
実はわたし、怪獣映画はそれほど好きではないのである。

好きではないが、コモン・センスとして「昭和29年の初代ゴジラ」、「昭和39年のモスラ対ゴジラ」程度は子供の頃にテレビで観ている。そして「1984年のゴジラ」は友人H君と有楽町マリオンで観た。
そのとき買ったパンフが、密林と化している書斎の映画パンフコーナーから発掘されたからこそ、この記事を書いているようなものである(笑)。



いやぁ「84ゴジラ」は「バカ映画」だった。見終わったあと、H君と感想戦でゲラゲラ笑いあったものであった。
なにしろ、自衛隊が政府に秘密で「スーパーX」などという超兵器を「こんなこともあろうかと」用意しているのである。今ならパヨク発狂である。ソ連が核ミサイルを誤射しちゃったり、それをアメリカに迎撃依頼しちゃったり、なんとも舞台装置が派手である。


(これが自衛隊の秘密兵器「スーパーX」の断面図だ! 政府も知らなかったぞ!!)

ゴジラはよく動くよう細工してあり、撮影時には「サイボット・ゴジラ」と命名されていた。なんと、まぶたまで閉じるという凝りようである。


(まぶたも閉じれば眼球も動く仕組みはこれだ)

ところが本作「84ゴジラ」のヒロイン、沢口靖子さんは、映画の中で一回も目を閉じない。そこでわたしとH君の間では、「あの沢口靖子は人間ではない。サイボット沢口靖子≠ネのだ」という共通見解が生まれた。


(マブタハトジマセンガ、エンギハデキマス。さいぼっと沢口靖子デス)

そして前述の通り、ゴジラは1984年当時の東京を破壊する。いやぁ、今、座って観ているマリオンが破壊されるシーンは愉快だった(笑)。


(マリオンを破壊するゴジラ、やれやれーw)

そんなこんなで、バカ映画としては楽しんだが、内容はもう全然覚えていないのである。むしろテレビで観た「昭和29年ゴジラ」の方が、伊福部昭の名曲とともによくストーリーを覚えている。

それから数十年。怪獣映画は苦手なもので、進んで観る、ということはなかった。「ジュラシックパーク」が怪獣映画に入るのだとしたら、何本かは劇場で観ている。あれも観ているときは面白いが、見終わって数週もすれば、話を忘れている。

映画館によってはありがたいサービスをやっていて、夫婦のどちらかが50歳を越えていると、そろって割引で見られる、というものがあるのであった。
そこで、わたしが50歳を越えたお祝いに、二人でリブートの「ハリウッド版ゴジラ」を見ることにした。不倫をした日本の国際俳優が「ガッジーラ」ではなく「ゴジラ」と言うことにこだわったというアレである。

見ている間は楽しかったが、うーん、だんだんと、誘った細君にもうしわけなくなってきてしまった。なにしろ、ゴジラ以外の怪獣も出てきて、人間とゴジラと別怪獣の三つどもえのドンパチギャーギャーばかりである。細君は面白いと思ってくれているだろうか。
そのとき、悟った。これは女性が、男性アイドル俳優が壁ドンするだけでジワーッと脳内麻薬が滲み出るようなスイーツ映画の男版≠ネのだ。つまり、ゴジラは男どものアイドルなのである。

エンドロールが終わった後、細君に「なんか、ごめんね」と謝ってしまった自分なのだった。面白かったんだけど、ね。自分は。

そんなこともあったので、「シン・ゴジラ」は一人で観にいった。特に感想は書かない。

怪獣映画が苦手、という自分の嗜好は、おそらく根っ子のところで、「アイドル映画」が苦手だからなのだろう。最後に観たアイドル映画は、南野陽子さんの「はいからさんが通る」だったと思う。
それでも男だから、怪獣映画のドンパチシーンでは脳内麻薬が出るので、観ている間は楽しく観ていられる。が、見終わったあとには何も残らない。そんな感じだ。

「仮面ライダー」に代表される特撮モノや「戦隊」モノは、怪獣映画よりもっと苦手で、まったく食指が動かない。これは怪獣映画よりあからさまに「アイドル色」が強いからと思われる。
そういえば、前述の「ジュラシックパーク」のティラノサウルスだって、すでにアメリカ人のアイドルなのだな。

イケメン俳優にキャーキャー言っている女性の層と、ゴジラにウォーウォー言っている男性の層は、実は同じ感性なのである。

     *     *

アステリックス二つで時間の経過を表して、「キングコング――髑髏島の巨神――」を観終わったあと、こうやって続きを書いている。
感想は、やはり「むくつけきアイドル映画」であった。太陽をバックにキングコングがドラミングする胸アツシーンは、スイーツ映画でイケメン俳優が壁ドンするのと同じような定番なのですな。ウッホッホー(笑)。
エンドロールは絶対に最後まで観ることをお勧め。

それにしても、キングコングも、ゴジラも、モスラも、ラドンも、ティラノサウルスも、本当にでっかくて咆吼をあげるゴリゴリした生き物が好きなのねぇ、男の子って。いくつになっても。
posted by 結城恭介 at 08:00| 回想録