2017年04月22日

【日記】だから3Dは失敗するんだってば

「【回想録】レンタルビデオ」でも書いたが、当時、ビデオテープではなく絵の出るレコード≠フハード競争では、パイオニアを盟主とするレーザーディスク(以後LD)と、ビクターを盟主とするVHDが鎬を削っていた。というか勝敗は早い頃に決し、VHDの負けで決まっていたのであるが。

負けたとはいえ、VHDは、それはいい規格だった。その大きな特徴は、なんといっても静電容量方式を使った「針式」であったことである。もうCDが発売されていた時代、再生すればするほどディスクが傷むという、時代に逆行したノスタルジー機能搭載に、オーディオビジュアルマニアは涙ちょちょ切れた。

それに、動画はCAV(角速度一定)で記録されていたので、静止画、スロー再生、コマ送りがお手の物だった。

一方のLDは、長時間ディスクはCLV(線速度一定)だったもので、トリックプレイは苦手だった。ださっ。
CAVで収録された映像プログラムもあったが、これは収録時間が短くなってしまう。わたしは「2001年宇宙の旅」のCAV版を持っていたが、これはなんと6枚組だった。

それでもLDはCDと同じようにレーザーで情報を読み出すので(情報自体はアナログ)、何度再生しても、ディスクが傷むことはない。なんとも味気ない話である。うむ。
VHDのように、再生すればするほど画質が悪くなっていくようなことはないので、アナログレコードを大事にするような「一聴一会」のオーディオビジュアルマニアの琴線には触れなかった。よね?

ところで、アナログレコードはCAVなのだが、となると当然、レコードの外周部の方が情報密度が大きくなる。クラシックのレコードなどで、後半にクライマックスが来る曲をダイナミックに記録するため「内側から針を落とし外側に向かって再生するレコード」というものが本当にあった。これ、ちょっとした無駄知識な。

さて、VHDは「針式」とは言え、ディスク自体は四角いケースに封入されローディングするもので、ユーザーが自分で針を落とすわけではなかった。カッチョエー。先進的である。
しかし何度も書くが、「針式」の宿命として、VHDディスクには、再生すればするほど寿命が縮む、という、大きな欠点^h^hノスタルジーがあったのである。
CDが虹色の原音再生≠惹句に半永久的≠謳って大々的に売り出されている時代に、「いまさら再生すればするほど画質が落ちるハードなんて誰が使うかよ」と、VHDは多くのオーディオビジュアルマニアから失笑を買っていたのだった。

あっ、ここにきて、ついに本音を書いちゃった(笑)。

まあそんなわけで、VHDは最初からLDにかなう規格ではなかったのである。

さて、そのVHDには、LDにはない、さらに大きな特徴があった。「3Dメガネを使うと、3D動画の再生ができる」機能付き、ということである。

どうです? もうここらへんで、失敗を約束されたハード臭くなってくるでしょう?

わたしの父は、赤と青の色眼鏡で見るアナグリフ式の立体映画を見たことがある世代である。これは当然、モノクロ映画となる。感想は「こりゃ定着しないな」だったそうだ。

わたし自身が最初に体験した3D映画は、ディズニーランドの「キャプテンEO」だった。マイケル・ジャクソンのアレである。この立体感は素晴らしい! と感心したが、これを映画館や家庭のテレビで観たい、とは思わなかった。アトラクションだから良いのであって、映画をこれで観たいとは思わない。

ところが、ここ数年、なにを勘違いしたのだか、劇場での3D映画ブームが再来した。わたしは好んで2Dの方を観てきたが、時間によっては3Dの方を選ばなければいけないときもある。
3Dは最初の数分こそ「おっ」と思うが、すぐに馴れてきてしまうし、全体的に画面が暗くてイヤだ。メガネの上にメガネをかけなければいけないというのもウザったい。

そしてハードの方。テレビも地上波デジタル用テレビが普及してしまったので、買い換え需要喚起のため、メーカーが「3Dメガネを使って、大画面で立体映画を楽しもう」という製品をバンバカ売り出すようになった。
わたしと父は冷笑していた。父はアナグリフ式の映画で、わたしはVHDの失敗で、3Dは失敗するとわかっていたからである。

案の定、3Dテレビは売れることもなく定着せず、今年2017年、最後まで3Dテレビの生産を続けていたLGとソニーが3D対応テレビの生産終了を発表。

「祝・3Dテレビ大失敗!」

だから、3Dは失敗するんだってば。
今まで、映画界もハード界も、何度も3Dに挑戦しては失敗してきてるのに、ほんと、懲りない人たちだ。

個人的な直感に過ぎないが、頭になにかを被せて映像を見せるタイプのものは、流行はしても定着はしない、と思う。今のVRヘッドセットも一過性のブームで終わるのではないだろうか。

劇場でも、3D映画はなるべく避けるようにしていたが、最近は3D上映そのものも少なくなってきたようで慶賀の至り。
なお、4DXはアトラクションとして面白いと思っているので、これは残ってもいいな、と思っている。

それにしても、「失敗する」とわかっているのに技術者、経営者を魅惑する3Dというものはなんだろう、永久機関≠ンたいなロマンなのかもしれない。

でもね、再度言っておくが、3Dは、失敗する。
少なくとも、3Dメガネを必要とするデバイスは失敗する。肝に銘じてくださいね>経営者・技術者の方々。

そういえば、任天堂の3DSは3Dだが成功している方のハードなのだろうか。あれは特殊メガネを必要としない方式だから良いのだろう。
とはいえ、わたしはいっさい3D機能を切ってプレイしているんだけれど、ね。
posted by 結城恭介 at 08:00| 日記