2017年07月18日

【日記】結婚について・その1

「その1」としたのは、もしかしたら気分によって「その2」「その3」をいつか書くかもしれないから。
 まあ今回はそのしょっぱなの「その1」である。

 10年くらい前だっただろうか、細君とドライブをしながら、こんな会話をしていた。そのころ自分は、何作か連続してミステリを望まれて書かされ、これから先もそのようなオーダーばかりで、もうこんな、人が人を殺してどうこうするようなお話は書きたくないと思っていた。

自分「もう正直、ミステリは書きたくないんだよ」
細君「それは知ってた。わかってた」
自分「うん。わかってくれてるとは思ってたけどね」
細君「で、次はどういうのを書きたいとかあるの?」
自分「そうだね……。実は、結婚≠ノまつわるストーリーを描いてみたいと思っているんだ」

 時代はまだ「婚活」とか「結婚難」とかの言葉が出てくる直前であった。わたしは、わたしの友人たち、そして細君の友人たちの結婚の波がパッタリと止まってしまった状況から、「これはこの先、なにかあるぞ」という不穏な空気感を感じていたのだ。

 その頃、わたしたちは幸福な結婚生活を送っていた。もちろん、新婚当時も幸福な結婚生活を送っていた。そして驚くべきことに、25年経った今でも、幸せな結婚生活を送っている。

 おっと、ここで南極越冬隊のみなさんから無線が入りました
「南極の大地は地平線まで白い。もげろ」


(榎本俊二「えの素」4巻より引用)

 ええと、もぐものが違うという指摘は置いておいて、と。

 そして、わたしたちがそんな会話を交わした頃から、日本社会は「結婚難」がリアルな現実として表面化していく。最初は小さな雪球が、雪の坂を転げ落ちていくうちに、マンガのように大きく巨大になっていくように。

 わたしたち夫婦が、幸福な結婚生活を送れているのは、二人が血のにじむような努力をしてきた――からではまったくない! これは強く明記しておかねばならないと思う。神の憐れみ、いわば、運≠ナある。
 しかしその、運≠焉A良くする方法というものがある。それは非科学的な方法ではない。たとえば、宝くじだって買わなければ当たらない。連番で数枚買っておけば当たったときの賞金が大きくなる。競馬にもある程度「鉄板レース」というものがあり、そんなときに一攫千金を狙って駄馬に賭ける者は愚かと言われても仕方ないだろう。

 しかも、結婚の運≠ネんて、「フツー」でいいのである。宝くじを10枚買えば、末尾0〜9が入るので、末等は必ずあたる。その程度の運≠ナいいのだ。

 もうひとつ、結婚については、「スカウター」がある。ドラゴンボールでサイヤ人がつけているアレである。こと「結婚」についてなにか語るとき、その話の説得力の裏に「結婚維持力」というバックグラウンドは確実にある。
 わたしたちは銀婚式を迎えたので、結婚維持力25である。、結婚して5年目、まだ木婚式の夫婦がいろいろいう「結婚について」のアレコレなど、


(鳥山明「ドラゴンボール(完全版)」14巻より引用)
 である。

 もちろん、30年目の真珠婚式、35年目の珊瑚婚式……にはかなわない。
 離婚したらリセット、全部パァである。たとえ70年目のプラチナ婚式を迎えた夫婦でも離婚したらパァ。その者の言う「結婚」の話など鼻紙にしかならない(「離婚」の話なら参考になるとは思うが)。
 ただし、死別は違う。死別後、再婚せずにずっと独り身を保っているのなら、結婚年数は上がっていくと思う。死別後に再婚した場合は、1からやりなおし、だ。

 というわけで、これからわたしが書く説教じみたことは、結婚維持力25程度の力しかない者が言うアレコレである。まあ、話半分に。

 さて、「その1」の今回は、「結婚適齢期」を再定義してみたい。
 その昔、女性の結婚適齢期はクリスマスケーキと言われた。24までが限界で25を過ぎるともう価値がない、というわけだ。
 わたしは、結婚の価値が子どもを生み育てることだけだとは思わない。なので、子どもを生みやすい女性の年齢が「結婚適齢期」だとは思わない。

 そして、上記結婚スカウターの、ひとつの到達点は「50年」ではないかな、とも思う。「金婚式」が目標である。
 いささか古い統計だが、金婚式を迎えられる夫婦は、1995年に発表された「結婚の生命表」によると、全体の31パーセントである。

 2015年の統計だと、男性の平均寿命は80歳、女性は87歳らしい。
 つまり、結婚50年である金婚式を迎えるためには――

 男性:30歳までに37歳までの女性と
 女性:37歳までに30歳までの男性と

 結婚しろ!
 ということである。

 これを過ぎたら、金婚式を迎えられる可能性が低くなっていく。

 結婚上限年数にリミットを設けるというのは、実はとても理にかなっているのである。
 まだ先がある、さらに先がある! と思っているから、いつまでもウダウダと物事を決められない、というのは、結婚に関わらず、日常どんなことでも、誰しも経験則的におわかりいただけることだと思う。

 今つきあっている者よりいい人がいるかも。今の出会いよりもさらにいい出会いがあるかも、と思っている限り、結婚は絶対にできない。

 とりあえず、未婚で、結婚したいと思っている若い方は、上に記した「男は30まで。女は37まで」を、頭の片隅に入れておいて欲しい。
 たとえ子どもはできなくとも、お互い「とも白髪」で金婚式を迎えるには、これがギリギリの年齢なのである。

 追記:具体的な数字を挙げたのは、いささかセンセーショナルに書くためで、実際には平均値より長く生きる方々も多く平均寿命も長くなる昨今、この数字にいたずらに囚われる必要はないとは思う。100歳まで生きる気概があるなら50で結婚だってGO!GO!だ。
 しかし、「結婚して金婚式まで迎えたいなあ」ということを考えるのなら、自分にも相手にも寿命がある、ということを忘れてはいけない。
 この視点を指摘している「結婚指南書」は読んだことがない。それは「結婚すること」がゴールになってしまい、スタートであるということを忘れてしまっているから(あるいは意図的に無視しているから)だと思う。
posted by 結城恭介 at 08:00| 日記