2017年08月24日

【カットリク!】呪いの聖書

 たまたま古本屋で手に取ったムック本。「死ぬほど怖い噂100の真相」。
 パラパラとめくっていくと――



 ババーン!「怪死した神父が残したカビだらけの呪いの聖書」とタイトルが。
 下のキャプションによると

 ご覧の画像は、19世紀にベルギーのある神父が残した「呪いの聖書」だ。神父は敬虔なクリスチャンだったが、最愛の妻に死にショックを受け教会から脱走。そのまま20年ほど行方をくらましたあと、田舎町の廃墟で、カビとキノコにまみれた不気味な聖書を抱きしめながら死んでいるのが見つかった。
 以降、聖書は第三者の手にわたったが、持ち主はいずれも発狂して死亡。ほどなく「呪いの聖書」の名がつき、現在はベルギーの博物館に所蔵されている。最強の呪いアイテムだ。


 もう脱力、滅茶苦茶である。敬虔なクリスチャンである神父が妻帯していて、妻の死にショックをうけて教会から脱走――教会は収容施設かなんかなんですかね(笑)。

「【カットリク!】恐怖新聞 第12話「悪魔のカード」・前編」でもすでに書いているが――

カットリク!ポイント36――
カットリク!は神父だけど結婚できちゃう。子どももつくっちゃう。


 ですな。
 ちなみに、牧師だったら間違いではないだろうし、聖公会の場合、呼称が「神父」で妻帯している、という稀なケースがないではない。しかしベルギーはローマ・カトリック信者が75パーセントの国である。
 まあ、ベルギーにも英国国教会はあるだろうし、そこの話と思えばあながち間違いと決めつけるのはよろしくないのかもしれない。

 なお、この「呪いの聖書」。上記の逸話はまったくウソで、マジックマッシュルームマニアがつくっていたサイト「シュールーメリー」の掲示板に投稿されたもの、という真相が、次ページに記されている。なんとも、ドッチラケ、である(笑)。

 ちなみに、現在、千葉県立博物館では「きのこワンダーランド」という特別展を行っているので、先日、寄ってみた(ので、この本「死ぬほど怖い噂100の真相」を持っていることを思い出し、この記事を書いたという顛末)。


(一部の展示は撮影も可能)

 2004年までは食用とされていた「スギヒラタケ」が実は毒キノコであった! などとびっくりするような情報もあり、キノコの世界も奥が深い。


(今となっては毒キノコの缶詰!)

 毒ヘビだと思われていなかったヤマカガシが実は危険生物だった、という事件も最近あったりする。科学万能の21世紀になっても、まだ毒性植物・動物の境い目がわからないことがある、というのは、実に興味深い。

 なお、聖書の中にはキノコは登場していない。登場していないので食事禁忌の例にもあげられていない。

 面白い話としては、出エジプト後、イスラエル民族に神が与え続けた食料「マナ」の正体がキノコだった、という説がある。これを元に考古学者ジョン・アレグロは「The Sacred Mushroom and the Cross」という著作をしたため、「イエスは実在せず、教団はマジックマッシュルームを使った幻覚を用いていた」というトンデモ論を展開して学界を追われたのであった。

 きっとジョン・アレグロが上記「呪いの聖書」を見たら狂喜したであろう、とオチをつけて、今日のカットリク!はおしまい。
posted by 結城恭介 at 08:00| 新興宗教カットリク!の研究