2017年11月10日

【日記】席取り

 はっけよーい、ノコッタノコッタ――それは関取。

 スタバを始めとする「お洒落カフェ」で、どうしても馴染めない習慣がある。それがこの「関取」。はっけよーい。くっ、DM200の単語学習が機能が悪さを……。「席取り」だってばよ。

 まずお店に入って、先に席を取ってから、注文の列に並ぶという、アレである。
 昭和生まれのわたしの感覚だと、並んでいる段階、オーダーを注文するまではまだ客ではない、という意識があるのだ。注文列を尻目に先に席を取っておくということに、多少なりとも抵抗感がある。

 混んでいるお店によっては、入店するとすぐPTRさんが「お席はお取りですか?」と聞いてくれる。こういう店はよい。お店の方が「先に席取り」を勧めている、とわかるからである。
 さらに、PTRさんが先に席を取ってくれて、プラカードを置いてくれれば、安心して注文列に並べるというものだ。

 そういうことをやっていない店舗だと、先に席を取っていいものかどうか、躊躇してしまう。入店して、注文列にも並ばずズカズカと奥の席に歩いていって、いい席にドッカと荷物を置いて席取りすると、まだ席を取っていないのに注文列にいるお客さんから「図々しい奴」「先に席を取られた!」と思われているのではないか――と感じるからである。うぅ、小心者。

 お洒落カフェの基本方針が明確にアナウンスされていないというのもいけない。「当チェーンでは、まず席取りされてからご注文ください」とアナウンスしてあれば、安心してまず席取りができるというのに。
 しかし、今までも、これからも、お洒落カフェが公式に「まず席取りを」と言うことはないように思う。それをやってしまうと、万が一の置き引きがあったとき、「先に席取りを」と言っていたお店側にも責任が出てきてしまうからである。

 実際、海外のカフェなどでは「先に席取り」などは防犯面でありえない、と聞く。
 わたしがツイッタラーだったらこう書くね。「西海岸で飲む、いつもの味。僕にとって先に席取り≠ニいう新鮮みのある日本ならではの習慣が、成功の証だと思う」

 わたし自身はこの問題にどう折り合いをつけているかというと、空いているときは、まず注文列に並んで、商品を受け取ってから席へ移動する。混み加減のときは「RESERVED」と書いたカードをテーブルの上に置いて、注文列に並ぶ。
 荷物をドッカと置いて目を離すほど、今の日本の治安を信用していないし、かといって、ハンカチ程度のマーキングだと「忘れ物」と思われてどかされかねない。
 今のところ、この方法で誰かに文句を言われたことはない。

 外食店などでは、席が空いているにも関わらず手が足りていないとき、オペレーションを立て直すまで、新規のお客は席に案内せず待たせる、という基本があるそうである。
 これは、先走って席に案内してしまうと、客に「自分は客だ」という意識を持たせてしまい、その後のオーダーが遅かったりすると不満が沸いてくるからなのだそうだ。
 席に案内前だと「まだ客ではない」という気持ちがあるから、客に不満を抱かせずにおける、と、こういうわけである。


(作:久部緑郎/画:河合単「ラーメン発見伝」7巻より引用。前段はこの芹沢サンの台詞からの受け売り)

 そういう意味では、スタバを始めとする、お客に列を作って並ばせるオペレーションの店で、最初に「席取り」していいのか、ダメなのかが明確にされていないのは、あまりよろしくないと思う。

 解決法はけっこうあるのではないか。たとえば、上に書いたカード方式である。店側で今日の日付をスタンプした「RESERVED」カードを入り口に用意しておき、「これで先に席をお取りください」とでも掲示しておけばよい。
「RESERVED」カードの日付違いが10枚溜まったら、コーヒー一杯無料サービスとかもいいのでは?
 いかがだろうか、このアイデア。
posted by 結城恭介 at 08:00| 日記

2017年11月09日

【日記】ラテラン教会の献堂

 今日、11月9日は、カトリックの祝日で「ラテラン教会の献堂」である。
「ラテラン教会」はローマにある「ヨハネ教会」のことであり、ローマ教区のカテドラルつまり司教座聖堂である。
 要するに、すべてのカトリック教会の母教会なのである。



 歴史をふりかえると、四世紀にコンスタンティヌス大帝によるキリスト教公認とともにローマ貴族ラテラニ家が寄贈した邸宅の宮殿に建てられた聖堂で、西暦324年11月9日、教皇シルヴェステル一世によって献堂された。
 もっとも、11月9日をカトリックの祝日とし祝うようになったのは十六世紀後半のこととなっている。

「ヨハネ教会」と一口に言うと、ガチカトは「洗礼者ヨハネと使徒ヨハネのどっちなんだよ」とモニョる気分になるが、実はラテラン教会はこの両方の聖人のために建てられた聖堂なのであった。

 全教会の母教会――とは言うものの、もちろんそれに、プロテスタント教会は入っていない。
 なんとも申しわけないが、カトリックはそのあたり、鷹揚に見えて慇懃無礼かもしれない。ロシア正教会、聖公会、十歩譲ってルーテル教会。それ以外のプロテスタント教会のことを、バチカンの上の方は教会的共同体≠セと考えているフシがある。

 教会というのは、つまるところ「イエス・キリストファンクラブ」である。バチカンの意識として、カトリック教会、ロシア正教会は「イエス公認&公式ファンクラブ」。聖公会、ルーテルあたりはまだ「公式ファンクラブ」。そしてそれ以外は単なる「ファンの集い」という感覚があるのである。
 いやはやなんとも熱心なプロテスタントの方には申しわけないし、宗教改革500周年の年だというのになんとも失礼なことを書いているかもしれないが、実際、カトリックの上のさらに上の方の意識には、そういうところはあるんだよ、ということで。

 それが如実に現れているのが、ミサのたびに配られる「聖書と典礼」の使徒書のタイトルである。



 この微妙な違い、おわかりいただけるだろうか?
 内容は同じ「新共同訳聖書」を使っているのだが、聖書側では「コリントの信徒への手紙」となっているのに、ミサ典礼では「コリントの教会への手紙」となっているのである。

 おそらく、プロテスタントの信徒の方は、カトリック側がこういう書き方をしているとは知らなかったろうと思う(なにしろ、お互い日曜日は自分の教派のミサ、礼拝に行っているわけで)。

 カトリックとしては、「教会以外に救いなし」という考えが今でもやはり残っているので、個人の集合体(ファンの集い)である「信徒への手紙」ではなく、使徒継承(公認公式ファンクラブ)である「教会への手紙」と考えているのである。
 もちろん、他にも理由はあるのかもしれないが(以前、司祭にこの質問をしたのだが、うまくはぐらかされてしまった)、カトリックの信仰というものは、教会抜きでは成立しないということがよくわかるひとつの例だと思う。

 上記のお話はカトリック側から見た一方的なものの見方で、実はプロテスタント側にも都合があって、新共同訳聖書では「信徒への手紙」となっているのかもしれない。ヨハネ黙示録では「どこそこの教会にあてた手紙」と明記してあったりするので、そこのあたりの翻訳事情・各教派のスタンスはよくわからないといった感じだ。

 話を一番最初に戻して「ラテラン教会の献堂」である。
 典礼暦は基本的に毎年移動するが、11月9日固定のこの日がくると、カトリック信徒は「ああ、秋も深まったなぁ」と感じ、もうすぐ訪れる典礼暦の最後の日「王であるキリスト」に思いを馳せ、新暦となる「待降節第一主日」を待ち望むようになる。

 今年も、よい一年で締められますように――。
posted by 結城恭介 at 08:00| 日記

2017年11月08日

【日記】愛用コンデジ

 最近はスマホのカメラの性能が上がってしまって、コンデジの人気が落ちてしまい、売れ行きもはかばかしくないらしい。
 わたしは日常のスナップを取るときは、あまりスマホのカメラを使わない。愛用のコンデジを携行しているからである。

 それがオリンパスのμ1030SW。もう9年も前の製品だが、一回、フラッシュ異常で修理したものの、今でも元気に現役機である。



 なにしろこのカメラ、丈夫なのである。物理的な意味で。
 水中十メートル防水、二メートルの高さからの耐落下衝撃、百キログラムの耐荷重、マイナス十度の耐寒仕様である。ちょっとやそっとでは壊れない。
 同シリーズは付属品をつけて「工一郎」シリーズとして、工事現場用カメラとしても用いられている。
 一度実際、市の工事現場で、ヘルメットをかぶりクリップボードを持った作業服の方が、現場と工程を書いた黒板をこのカメラで写しているのを目撃した。本当に使われているのだなぁ、と、ちょっと嬉しかった。

 反面、画質はいまいち、である。画像サイズは最高で十メガまで撮れるが、比較実験した結果、解像度は三メガから上は変わらない。レンズとCCDの性能が十メガまで追いついていないのだ。
 また記憶媒体が、今は珍しいXD Picture Cardである。一応、アダプタを使えば、Micro SDも使えるのだが、その場合、「パノラマ撮影」機能が使えなくなる。このパノラマ撮影機能、ほとんど使わないと言えばそうなのだが、ここぞというときには便利なので、やはりXD Picture Cardを使うことになる。

 手ぶれ補正モードもあるが、これははっきり言って使いものにならない。ノーマル撮影との差がまったくわからないほど。

 わたしはこのμ1030SWに純正シリコンゴムの服を着せ、ベルトポーチに入れて携帯している。
 なにしろ、落としても踏んでも水に濡れても壊れないカメラだから、そうそう買い換える機会がない。後継機種も出ているが、わたしはμ1030SWの飾り気のないデザインが好きだ。



 それ以上に、このカメラは、大切な時間を撮り続けてきてくれた。愛息がまだ元気なとき。そして病気になったとき、帰天したときも、このカメラはわたしと一緒にいてくれた。それだけに愛着が深い。
 愛息を撮ったXD Picture Cardは、気分的にファイルを消去する気になれず、カードを買い換えて大切に取っておくことにした。デジタルデータなのでHDDにコピーしバックアップも取ってあるが、やはり、大元のXD Picture Cardから愛息の画像を削除することはできなかった。

 それにしてもコンデジ(スマホ含)は便利だ。なにか気になったことがあったらすぐにパシャリとやっておけば、ちょっとした備忘録になる。
 バスの時刻表や、教会の掲示板などを撮影しておけば、あとで内容を確認することも容易である。
 不二家のスイーツバイキングの成果を記録して、モトは取れたかな? と計算することもできるし、ネットカフェで自分が何杯アイスをおかわりしたのかを映しておいて、摂取カロリーを自重することもできる。

 ケータイカメラの時代から徐々にだが、スマホ時代になって、世界の「撮影可能領域」が一気に広がったような気がする。昔は路上に置かれたガチャガチャの撮影をするだけで(これは本来、合法)、店員さんが「無許可撮影はしないで」と飛んできたものだった。


(21年前、DC-1で撮影した秋葉の風景。飛んできた店員のお兄さんが一緒に映っている)

 人の欠点や失敗をあげつらう盗撮じみた写真は品性よろしくないと思うが、街中のいろいろなスナップを個人が撮って、肖像権を守ってネットにアップできる現代は、いい時代だと思う。
posted by 結城恭介 at 08:00| 日記

2017年11月07日

【日記】詐欺メール注意報・楽天&佐川急便偽装

 土日には送ってこないのに、平日になると「まるでそれを仕事としているかのように」詐欺メールが送りつけられてくる。
 本当に「おまえら、人をだまして食う飯は美味いか?」と罵ってやりたくなる。
 今回の第一弾は「楽天」を偽装した詐欺メール。「会員情報が変更された」という内容で、心当たりのない人が「すわ楽天のアカウントを乗っ取られたか!」とあせってアクセスしてしまう可能性がある。悪辣この上ない。

 なお、下記の引用は冒頭部に変なところもあるが、伏字以外はほぼ原文ママである(改行などは編集した)。

題名 : [楽天]会員情報変更のお知らせ
差出人 : myinfo@rakuten.co.jp
アドレスブックに登録する
全ヘッダー表示▼
こちらをクリックして、ご請求を詳しく説明してください
※このメールはお客様の会員登録の情報が変更されたことをお知らせする重要なご連絡です。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ただいま、お客様からの変更処理に基づいて会員登録情報が変更されました。
万が一、本メールの内容に覚えがない場合には以下までお問い合わせください。
----------------
楽天市場 お客様サポートセンター
>電話でのお問い合わせ 
 電話番号: 050-xxxx-xxxx
 受付時間: 9:00 〜18:00 (年中無休)
 ※通話料は、お客様負担となります。
チャットでのお問い合わせ
 受付時間: 9:30 〜翌1:00(年中無休)
メールでのお問い合わせ
 受付時間: 24時間365日(年中無休)
----------------
変更された情報は、以下のページよりご確認いただけます。
■楽天会員情報の管理画面
https://member.id.rakuten.co.jp/rms/nid/menufwd
【メールアドレスを変更された場合】
セキュリティ確保の観点から、変更前のメールアドレスにもこのメールを送信させていただいております。
================
※当社の個人情報の取扱いについては「個人情報保護方針」をご覧ください。
https://privacy.rakuten.co.jp/
※本メールは送信専用です。
ご返信いただきましてもお答えできませんのでご了承ください。
━━━━━━━━
■楽天株式会社


 引用中の赤い部分が、htmlメールをそのまま見られる環境だとリンクになっており、それを踏むとトロイを仕込もうとし、また「楽天カードからのお知らせ.zip」というトロイのアーカイブをダウンロードさせようという仕組み。ユニーク文字列も仕込んであり、メアドが生きているかどうかもチェックしている可能性がある。

 匿名アクセスの手段を使って踏んでみたところ、仕込もうとしてくるトロイをうちのワクチンソフトはきちんとチェックし削除してくれたが、必ずしもうまくいくとは限らないので、わからない人はリンクを踏んでみたりはしないのが吉。

 また、上記の電話番号「050-xxxx-xxxx」に非通知で電凸してみたが、「この番号は使われておりません」だった。
 しかも、これがメールごとに違う番号になっている。なにか怪しい雰囲気がしたので、ここでは伏字にしておいた。

 なお、送信元として使われている「myinfo@rakuten.co.jp」は本当に楽天からメールが送られてくるときにも使われるメアドなので、これでスパム判定はできない。
「楽天会員情報の管理画面」「個人情報保護方針」も本物のURLである。本物だけURLを記してリンクを貼らないあたりに、なんとも、この詐欺グループの稚拙さを装った陰湿なところを感じる。

 第二弾は「佐川急便」を偽装したメール。
 Subjectは「[佐川急便] 請求内容確定のご案内」となっている。

平素は格別のご愛顧を賜り、心より御礼申し上げます。
※本メールは電子請求書発行サポートにご登録頂いたお客様を対象に送信しています。
請求の内容が確定しましたので、ご案内致します。
運賃請求書発行画面より請求書を取得して頂きます様、お願い申し上げます。
請求書番号
【xxxxxxxxxx】
┏━━━━━━
■取得方法
┗━━━━━━
『電子請求書発行サポートメニュー』選択後、『運賃請求書発行』から取得して下さい。
WEBトータルサポート(電子請求書発行サポート)へのログインはこちら
┏━━━━━━
■ご注意
┗━━━━━━
請求書をダウンロードいただく際には大変混雑が予想されます。
アクセスにお時間を要した場合は、ご面倒ではございますがしばらくたってからご利用いただけますようお願い申し上げます。
電子請求書発行サポートサービスは携帯電話ではご利用いただけません。
パソコンからのみご利用頂けます。
今後とも、いっそうのお引き立て賜りますよう、お願い申し上げます。
佐川急便株式会社
--------------
▼お問合わせ先
操作方法等に関するお問い合わせは、
佐川急便 CSインフォメーションセンターまでお電話ください。
佐川急便株式会社 CSインフォメーションセンター
TEL:xxxx-xx-xxxx
メールアドレス:xxxxxxxxxxxxxx@xxxxxxxxxx.xx.xx
受付時間:9:00〜17:00(月〜金 ※祝祭日・年末年始を除く)
----------------------------------------------------------
本メールは佐川急便インターネットサービスより自動で送信されています。
返信されましても受け付けできませんのでご了承下さい。


 こちらの詐欺メールも、htmlメールが見られる環境だと赤字の部分がイカサマリンクになっている。
「楽天メール」と同じ手法で確かめてみると、やはりトロイを送り込もうとし、苦笑してしまうことに、佐川急便を名乗っていながら「楽天カードからのお知らせ.zip」をダウンロードさせようとしてくる。

 この埋め込んである詐欺URLのドメインは「楽天」の詐欺メールと同じもの。つまり同じ詐欺グループからのものである。
 わたしはフィッシングメールにわざとかかってその出来栄えを評価するのが趣味のひとつだが(悪趣味)、この詐欺連中は詰めが甘くてもううんざりだ。

 かえすがえすも残念に思うのは、世の中にHTMLメールなんぞというくだらないものが定着してしまったという現実である(RFCにも規定されてしまったので仕方ないが)。
 こんなくだらないものをメールに実装しなかったら、現代のフィッシング詐欺の多くが防げたであろうに。

 旧いコンピュータ屋で、HTMLメールを「大っ嫌い」という人間は少なくないはずである。

 なお、「あなたのApple IDのセキュリティ質問を再設定してください。」の詐欺メールと、「バリューコマース株式会社」を騙る「クレジットカード決済が完了しました」の詐欺メール、「ANA ToMeCARD PASMO(JCB)」を装った「JCBカード2017年11月10日分お振替内容確定のご案内」の詐欺メールも来ている。
 いずれもヘッダに特徴がある(User-Agent: Mozilla/5.0 (Windows NT 6.1; WOW64; rv:45.0) Gecko/20100101 Thunderbird/45.2.0が含まれている)ため、同一詐欺グループと思われる。

 読者諸兄姉におかれましては、ご注意及び、周囲への注意喚起のほどを。
posted by 結城恭介 at 08:00| 日記

2017年11月06日

【日記】クラブ[・↑↑]

 その昔は、標準語を学びたかったら、NHKのニュースを聞いて真似をしなさい、と言われたものだった。


(弓月光「エリート狂走曲」2巻より引用。色っぽいけどJSです)

 しかし、それも最近は怪しくなっているように思う。
 わたしがこのところ、NHKのアナウンサーの言葉を聞いていて、たまらなく怖気が立つのは「クラブ」の発音である。

 わたしの世代は、「クラブ」の発音を[・↓↓]としていた。それがいつの頃からか、NHKでクラブ[・↑↑]と語尾を上げて言うようになっているのである。
 わたしだって「クラブ活動」とつなげて言うときはクラブ[・↑↑]と言う。しかし「クラブ」の単語ひとつならば[・↓↓]だ。

 最近の若い方の単語の発音が、語尾上がりになっていることは知っている。たとえば昔は「カレシ」「カノジョ」は[・↓↓]だったが、今はどちらも[・↑↑]だ。
 若い人が日常会話でこういうイントネーションで話すのは構わない。言葉は変わっていくものだから。しかしNHKは言葉の最後の砦として、こういう、以前とは変わったイントネーションを使うことに慎重になるべきではないか。

 アナウンサーも、プロデューサーも、ディレクターも、わたしの世代から変わってしまった、ということだろうか……。

 ここから先は、まとまりのない私見と妄想である。
 若い方の単語の「語尾上がり」は、自信のなさの裏返し、ではないだろうか。
 ふつう、「語尾上がり」は疑問型で使われる。

 細君「どこに出かけてた?」
 わたし「こうえん[・・・・]だよ」
 細君「こうえん?[・↑↑↑]」
 わたし「うん、こうえん[・・・・]」

 こんな感じ。同じ「公園」という単語でも、語尾上がりになると疑問型になる。
 一時期流行った、自分を指して言うときの台詞の定番として、付加疑問文を使う、というものがある。

 わたし「ほら、俺って、ノマドな人じゃないですか?」

 これ。こう言われると、相手は否定形で受けにくい。同時に言う方は、自分のことなのに他人事のように表せ、ワンクッション置けるという利点もある。

 若い方が単語を平板、あるいは語尾上がりに発言するのは、自分の意見を他人事のように装い、同時に反論を抑えようとする無意識があるのではないか、と思索を巡らしているところだ。

 わたしは、いわゆる「ら抜き」言葉を、そう悪いことだとは思っていない。「見られる」と「見れる」は意味が違うと思うからである。前者は可能と受動の両方の意味があり、後者は可能の意味に限定される。むしろ「ら抜き」言葉を使う人の方が、言語能力もコミュニケーション能力も優れているのではないか、と思うところもある。

 単語の平板化、語尾上がり化も、決して悪い面ばかりではないはず。言葉は社会によりそって変わっていくものだから。きっと、今の若い人たちの文化が、それを必要としているのである。

 しかし重ねて言うが、NHKがクラブ[・↑↑]というのは、まだ抵抗がある。民放ではないのだから、流行り言葉におもねるのはどうか。それとも、もうクラブ[・↑↑]は標準語として市民権を得ているのだろうか。

 細君も、NHKでクラブ[・↑↑]は気持ち悪いと言っている。
 みなさんはいかがだろう?
posted by 結城恭介 at 08:00| 日記