2018年01月12日

【日記】一人称

 このブログに限らず、ウェブサイトでも、また、実生活でも、わたしが自分自身を呼ぶときの呼び方は「わたし」である。
 漢字で書く場合、「私」だと「わたくし」と読んでも間違いではないため、「わたくし」とは読んで欲しくないなぁ、と、ひらいて(漢字をひらがなにして)「わたし」。

 これは、いにしえのパソコン通信NIFTY-Serveの頃からそうだったし、十八歳のときのデビュー作「美琴姫様騒動始末」の「あとがき」でも「わたし」だったと思う(違ったらゴメン)。

 けっこうパソ通ではこの「一人称」に悩む人は少なくなかったようだ。「わたし」だと女っぽいと思う方がいらっしゃるという傾向はあったように思う(わたしはそうは感じないのだが)。
 なので「自分は」とか「おいらは」とか、中には「拙者は」などという言葉で自分を呼んでいらっしゃる方もおられた。

 わたしでも、家族間や親しい友人間でくだけた会話をするときは「俺」である。このあたりのスイッチは実に内的プログラマブルで、自分でも気づかないうちに「わたし」と「俺」を使い分けていることに感嘆したりする。

 小さい頃、小学生くらいまでは「僕」ではなかったかな。
 いまでも教会で、年配の方が「僕はこう思うんだけど」などとおっしゃると、「ああ、育ちがいい方なのだなぁ」と感じたりする。
 わたしは中学の頃、「僕」は止めて「俺」にしてしまった。これはやはり、所属コミュニティの色が反映されると思う。

「あたし」は女性のみに許された一人称だが、細君は「あたし」とは言ってくれない。「わたし」派である。

 余談だが、細君とおつきあいを始めた頃、細君はわたしに対して敬語であった。まあ、ファンと先生の間柄だったので、そういうものと思っていたが、プロポーズ後でも敬語というのはちょっと淋しいな、と思って「もう敬語を使わなくてもいいんだよ」と要望を伝えたのだった。
 そしていま、細君はわたしとタメ口なわけだが、振り返ってみると、あの「敬語はもういいんだよ」は失策だったかもと、思ったりするときもある(笑)。
 そりゃあーた、上目遣いで「先生、ひどいですぅ」と言われるのと、下目遣いで「あのねぇ」と言われるのと、どっちがいいですか? え、後者もご褒美ですかそうですか。

 個人事業主であった「結城恭介オフィス」を商業法人化したとき、人称の変化が嬉しかった。それまでは「うち」としか呼びようがなかったそれを「弊社」「当社」と呼べるようになったからである。なんだかんだと言って、現代の日本は「個人事業主」ではなく「商業法人」でまわっているのだなぁ、と思ったものだ。

 この原稿を書くために、日本語にはどれくらい一人称があるのだろうと調べてみたが「世界で一番多い。ただし数はわからない」というのが定説らしい。

 理由はいくつも考えられるが、結局、日本人は、社会の中で自分の置かれた立場との折り合いをつけていかないと生きていけない(自己主張がしにくい)民族だからなのかもしれない、とも思う。

 わたしもブログの中で、たまに年寄りを演出するために「わし」と書いたりするが、実際にこれから年を経ても、実生活で「わたし」が「わし」に変わることはなさそうに思う。
 たぶんこれから死ぬまで「わたし」を使うんじゃないかなぁ。わたしは、ね。
posted by 結城恭介 at 08:00| 日記