2018年02月01日

【映画評】ジオストーム

「映画評」にしようか、「日記」にしようか迷ったのだが、まぁまぁ面白かったのでこちらで。



 結婚記念日に二人で街を歩いていて、夜の予定(不二家ケーキバイキング)まで時間が空いてしまったので、「なんか映画でも観る?」とフラリと入ったのがコレ。
 本当はデートムービーなのだから「パディントン2」が観られれば良かったのだが、吹き替え版なのがいまいちな上、時間が合わず。デートでディザスタームービーはどうかとも思うのだが、ま、わたしら、わたしの三十歳の誕生日記念に、「劇場版セーラームーン」を観た夫婦ですから(たまたまチケットをいただいていたんですよ!)。

 あらすじ――
 全世界規模の異常気象が起き始めた二十一世紀、このままでは世界が滅ぶと(なんだってーっ!)全世界規模で協力し、宇宙から全世界規模で気象をコントロールするシステム「ダッチボーイ」がつくられた(話はえぇ!)。全世界の科学者たちが協力してつくったシステムだが、オリエント工業は参加していない(たぶん)。
 このプロジェクトに深く関わっていたのが、科学者であるジェイクと、文民官吏のマックス。二人の仲は決して良くはなく、衝突することも多かった。
 このダッチボーイが代表国アメリカから全世界に移譲されることが決まったのに並行して、ダッチボーイ自身が原因の異常気象が起こり始める。アフガニスタンの村がひとつ、村人も含めてカッチンコチンに凍ってしまったことを皮切りに、香港では異常な熱波、東京にはでかい雹がボコンボコンと降ってくる。
 果たしてダッチボーイは故障したのか、いやそれとも、裏に陰謀があるのか?
 兄弟は宇宙と地球で反発しあい、協力しあい、真相をつきとめ、全世界規模で発生しつつある「ジオストーム」――地球上のあらゆるところで同時発生してしまう大嵐――を防ぐために、両者ともが命がけで闘っていく。


 とまあ、これに弟側のラブストーリー風味(彼女が大統領のSP)をふりかけて、あとは特撮すごいでしょ、の映画である。

 異常な熱波で地表が溶けビルがドミノ倒しになるのはまだわかる。大きな雹が当たって人に穴が開く、というのももちろんわかる。しかし、異常な冷波が時速5キロくらいで押し寄せてきて、それに触れると人間が蝋人形のようにカチンコチンになってしまうというのは、なんとも、「デイ・アフター・トゥモロー」症候群というか、「ねーよ」というところだが、熱帯ビーチで楽しんでいたカップルのうち、海パン一丁の男が瞬間冷凍され、彼女が逃げて助かるあたりで「すごく楽しい!」のでよし。
 報われないな、海パン男。瞬間冷凍だったから、あとでうまく解凍すれば生き返るのかも(ねぇよ)。

 なお、地球上おそらく静止軌道あたりにネットのように張り巡らされた「ダッチボーイ」システムが、どのように気象をコントロールしているかなどの科学的考証は、ほーんのちょっと(セリフで二、三触れるくらい)しか行われていない。

「気象コントロール装置」というSFネタは25年以上前に、わたしも使ったことがある。「ヴァージンナイト・オルレアン」という作品である。



 このときは、リアルな20世紀の地球上に中世ヨーロッパの国「ファーランド」が孤立して存在している、という設定をつくるために、二次大戦中に造られた気象兵器によって、地球上のある箇所に常に猛烈な台風が吹き荒れており、その目の中に小国ファーランドがあるというのが大まかな設定。もちろんもっと細かい設定は施してあった。



 その気象兵器の原動力となっているのは常温超伝導で、それを実現したのが「まだ誰にもみつかっていない鉱石(ヴァージナイト)」、ヒロインの設定とダブルミーニングになっていたのである。



 いやぁ、懐かしいな。
 わたしのアイデアは、いつも早すぎる。

 このとき、その本の表紙と挿絵を描いていたのが、未来の細君だったのである。

 話を「ジオストーム」に戻すと、そういったSF考証は上記の通りほとんどないと言ってもいい。一瞬セリフで「あそこの冷波は音波振動で――」と触れるくらいである。そのあたり、「考えちゃいけない、感じるんだ」という映画ということで。

 結局のところ「USA! USA!」な映画である。兄と弟は和解し、大統領を巻き込んだ派手なカーアクション(運転するのは弟の彼女だが、これがまた絵になる)。そして意外だが予想できる、まれに良くあるみたいな真犯人、というオチ。

 結婚記念日に観て、二人で観劇後「ヴァージンナイト・オルレアンのことを思い出したねぇ」などと感想を言いあわなかったら、おそらく記事にはしなかったろうこの映画。
 でもまぁ、DVDで楽しむには十分すぎる内容ですよ。
posted by 結城恭介 at 08:00| 書評・映画評