2018年10月13日

【日記】Xiaomi GiiKER Smart Cubeレビュー・その3

 Xiaomiが販売している、Bluetoothでスマホと連携できるルービック・キューブ(*1)=ASmart Cube「GiiKER」についてレビューを続けている。その3は、スマホアプリSupercubeでできる、ソルブ(六面完成)関係以外のゲームについて触れてみよう。

(*1)「ルービック・キューブ」は現在、メガハウスの登録商標となっているので、正確には「六面立体パズル」と呼ぶのが正しいが、検索でも引っかかるよう、ここでは「ルービック」と記した。なお、六面立体パズルの特許自体はすでに切れているので、メガハウス以外のメーカーが製作・販売しても、いわゆるパチモノ≠ノはならない。

 さて、アプリSupercube≠立ち上げ、GiiKERとBluetoothでつながると、以下の画面になる。



1)CUBIC RUN
2)CRAZY PUZZLE
3)COMMPLETE CLONE
4)CUBIC ESCAPE

 の4ゲームが、GiiKERキューブでできるようになっている。順に追っていこう。

1)CUBIC RUN



 下部のキャプションには「Test your reaction by following the moves(おまえの反応を試してやるからついてきな(意)」と書いてある。
 ここで「GO」をタップすると――



「Place your cube as shown above(おまえのキューブをこういうふうに見えるようにしな(意)」と出て、さらに「GO」。



「Follow me!(ついてこい!)」というメッセージとともに、上のキューブが回り、カウントダウンが始まる。カウントがゼロになる前に、GiiKER本体を画面のキューブと同じように回せばいいわけだ。
 最初のほうはペースも遅く簡単だが、やがて、回転がいきなり速くなったり、いちフェイズに数回転したりして、ついていくのが難しくなっていく。
 R、R'、L、L'、F、F'、U、U'あたりは、基本フォームで回せるので楽勝だが、コンビネーションでD、D'や、B、B'あたりが入り始めると、わたしのようなヘボキュービストは慌ててしまう。
 途中でカウントダウンがゼロになったり、間違えたりしたらゲームオーバー。次の画面が出て、今回のゲームのリザルトが表示される。



 言うまでもなく、「Restart」を押せば、またゼロからゲーム再開だ。

2)CRAZY PUZZLE



「Collect pixel pics by one-face clone(一面だけの絵合わせをしようぜ(意)」

 例のごとく「GO」タップでゲーム画面へ。これはレベル1から順番にクリアしていくゲームだ。



 クリアしたいマスをタップするとゲーム開始。



 この、上の画面と同じようにGiiKERキューブの色合わせをすればいいわけだ。GiiKERキューブと同期して、下の小さな3x3キューブも回るので、それを参考に。横面の色は考慮しなくていいので、最初のほうはけっこう簡単。できあがると――



 こんな感じのご褒美画面。どうやらしばらくは「国旗」シリーズが続くらしい。「Next」で次のレベルへ。
 タイトルほどCrazyとは感じないが、レベルがあがるとOOPS!となるような仕掛けがあるのかもしれない。

3)COMPLETE CLONE



「Six-face complete clone challenge!(六面全部を合わせてみろよ(意)」
「CRAZY PUZZLE」の六面版だ。やはりレベル1からの挑戦となる。





 これがレベル1の画面。いわゆる「へそキューブ」の配列だ。しかも時間制限があるのである。ヘタレなキュービストのわたしは、この画面を見ただけで「もうこのゲームはいいや」と放り出してしまった。

4)CUBIC ESCAPE



「Esccape from the cubic within step limits(限られた回数の中でキューブを逃がせ(意)」
 始めると、こんな画面



 キューブの上に妖精さん(?)が立っている。そのキューブをスポットライトを発しているキューブの位置に持っていけばいい。ただし、回転できるステップ数に上限がある。この場合は3だが、F一回で行けてしまうので楽勝だ。
 このゲームも「へぇ、こんなのもあるんだ」というわけで、全然遊んでいない。

 以上の四つが、SupercubeアプリとGiiKERキューブを使って遊べるゲームである。
 正直なところ、どのゲームも試した程度で、熱中するレベルにまでは至らなかった。

 追記:このブログは、ご存知の方はご存知だろうとおもうが、記事を書いてから掲載するまでにかなりのタイムラグがある。そして、このGiiKER用のアプリSupercubeもVer2.0が出てしまった。



 Ver2.0では上記のゲームのほとんどがなくなって、新しいゲームに差し変わってしまっているのに驚いた。ずいぶん思い切ったことをするものだ。まだ、ここに紹介したゲームが遊べるバージョンがスマホに入っている方は、ゲームを堪能してからバージョンアップしたほうがいいと思う。
posted by 結城恭介 at 08:00| 日記

2018年10月10日

【日記】Xiaomi GiiKER Smart Cubeレビュー・その2

 さて、GiiKER本体の充電も終わったので、再びスマホとBluetoothでconnectしてみる。
 このあたり、一度接続してあると、自動でつながったり、自分でconnect指示を出さなければいけなかったりと、どうも安定しない。



 今回は、アプリを起動しただけで、自動的にGiiKER本体とつながってしまった。

 さて、アプリのデフォルト画面はこんな感じだ。



 下の方の「CUBE RUN」、「CRAZY PUZZLE」、「COMPLETE CLONE」、「CUBIC ESCAPE」は、このGiiKERキューブを使ったゲームである。ちょっと試してみたが、面白いような、面白くないような、まあそんな評価なので、時間の余裕があればレビューその3で触れるということで。

 むしろ、上の四つのアイコンの方が大切である。左から「GiiKERキューブのステータス」、「タイム計測」、「ソルブ(崩したキューブを元に戻す)」、「アプリのバージョン情報」となっている。

●GiiKERキューブのステータス



 GiiKER本体のファームウェアバージョン(わたしのは38だった)、それまで回した回数(Total Steps)、GiiKERキューブID、GiiKERキューブの充電池容量が見られる。
 また、この画面でBluetoothのDisconnectや、GiiKERキューブとアプリのキューブがズレてしまったときにそれを直すReset Statusができる(手順はtriboxさんが動画を作ってくださっているので、「こちら」のページをご高閲のほど)。

 この画面でも、GiiKERを回せば、それに追随してアプリ上のキューブも回る。なかなか面白い。



 なお、アプリのGiiKERは「持ち替え」には一切対応していない。ずっと、センター青、赤、白のサイドが見えているままである。ちょっと寂しいが、GiiKERキューブ本体に重力センサーやジャイロセンサーがないので仕方ない。
 この点まで対応しているハイテクキューブGo CUBE≠ェキックスターターで開発完了しているとのこと。これも日本で手に入るようになるのが楽しみである(期待してます! triboxさん)。

●タイム計測

 スクランブルしたキューブをソルブする時間を計測する機能。下のREADYをタップして、キューブを回しはじめれば自動的にストップウオッチが回りはじめ、ソルブが完成すると、これも自動的にストップウオッチが止まる。


(これはREADYをタップして、GiiKERキューブが回されるのを待機している状態)

 また、計測中には連動したキューブ画像と、Speed、Stepsが表示されるようになっている。キューブが六面完成すると、下の画像のように確定タイムが出る。





 Speedとなんステップで完成したか、そして真ん中のチェックボタンをタップすると、どう回転させたかが回転記号で表示される。



 ソルブ中、スマホにLINEの新着とかが入ってくると、容赦なくストップウオッチが止まる。これはなんとかならんかったのかなぁ。

 なお、完成画面では「Click READY after scramble(スクランブルしてからレディをクリックしてね)」と出て、スクランブル待ちになる。
 ここでズルして、1手順とか2手順とかでREADYをタップすると「Please scramble your cube completely!(頼むよ、ちゃんとスクランブルしてよ)」と出て、計測モードにはならない。ズル防止と思われるが、例えば最後のOLLのみ残すという非常に簡単な状態でREADYタップしたとしてもこの表示は出ないので、むしろ誤動作防止のためなのかもしれない。
 また、非常に残念なことだが、記録が残らない。せめて5ソルブくらいは過去の記録を残してほしかった。そうすれば、subが計算できたのに。

●ソルブ(崩したキューブを元に戻す)



 スクランブルしたGiiKERキューブを、画面に従って回していくとソルブできるという、ただそれだけのモード。うまい人には感動はないのだろうが、わたしのような下手の横好きキュービストは、最短の手順でソルブできてしまうのでびっくりだ。

●アプリのバージョン情報



 まんま「アプリのバージョン情報」である。わたしの入れたものはV1.2.0であった。

 さて、ここまでの総評。
 まず、キューブの質だが、マグネット内蔵で、けっこうそれが強い。カチャカチャとした回し具合で、静かな場所だと「キィーッ」という小さな音もするのが気になるといえば気になる。

 GTS2M、GAN356、Valk3と、トップキュービストたち御用達のキューブを、日々、使ってみて、キューブというのは「官能」に訴えかけるものだと悟った。「いいキューブ」というのは、数字にできない。好みである。今のわたしが一番好きなキューブはGTS2Mだ。回しているだけで気持ちがいいし、タイムもいい。

 GiiKERキューブは、そういう意味では(わたしにとって)、それほど官能に訴えかけてくる良さはない。硬質で、無機質で、寡黙である(カチャカチャ言うけれどね)。むしろ万人好みの味付けをした結果なのかもしれない。
 ただ、ステッカーの色はね……。もうちょっと原色に近くできなかったのだろうか。最初、そのあたりでけっこう慣れることができなかった。
 triboxでも、貼り替え用のステッカーを用意してくれているのだが、貼りつけるのはユーザー自身なので、不器用なわたしにはきれいに貼り替えできる自信がない。これはもう、GiiKERキューブのデフォの色に慣れてしまう他はない。

 アプリに関しては、結局、一番使うのは「タイム計測」だと思うのだが、やはり記録機能がないのが残念だ。一応、トップ記録だけは残されていて、それを抜くと「NEW」表示が出るようだが、わたしは動作テストのためにズルして4.01秒などというとんでもないレコードを出してしまい、それが記録に残ってしまった。



 では記録全部をリセット――と思うと、これもできない。スマホのアプリ設定からGiiKERアプリのデータを消せばリセットできるのかもしれないが、こういうのは経験則的にリスクと紙一重(Bluetooth接続ができなくなるとか)なので、試す気はない。うまくいっているものはいじるな――プログラマの格言である。

 純正アプリが残念なので、triboxのサイトで紹介されている@hakatashi様のタイマーを使ってみたのだが、Bluetooth Low Energy not available.エラーで動かなかった。残念である。


(キューブをソルブする過程をそれぞれ計測してくれる高性能タイマーらしいのだが、わたしの環境では動かなかった)

 なんにしろ、スピードスタックスやストップウオッチを使わずとも、タイム計測ができるというのはありがたい。

 ちなみに、このキューブをWCA公式大会で使うことはできない(2i-電子機器の禁止、3h-追加の情報を得るなどの改造の禁止)ので、その点は留意しておきたい。

 では、Happy cubing!
posted by 結城恭介 at 08:00| 日記

2018年10月06日

【日記】Xiaomi GiiKER Smart Cubeレビュー・その1

 日本で立体パズル類を買うならここしかない、という信頼のtriboxさんが、10月から送料値上げとのことなので、滑り込みでXiaomi GiiKER Smart Cubeを購入。
 このキューブ、なんとBluetoothでスマホとつなぎ、いろいろできるというハイテクなキューブなのである。

 ところで、このブログにキューブのことを書き始めた頃はsub300とかsub180とかsub120とかだったのだが、最近はやっと、sub90くらいまで行くようになった。これもガチ勢から見たら「プッ」な数字だろうが、わたしにとって、タイムを二桁代にまで追い込めたのはとてもうれしいことなのである。

 ちなみに、いまだ「簡易LBL法」でやっている。あと、最初の15秒の初見は(面倒なので)やっていない。F2Lにも挑戦中だが、なかなか老脳には難しい。

 さて、Xiaomi GiiKER Smart Cube。箱はこんな感じである。



 開けてみると、こう。



 キューブがヘッドフォン≠かけているようなイメージだ。このヘッドフォン≠ヘ伊達ではなく、充電のためのアダプターとなっているとのこと。

 説明書はすべて中国語だ……。



 GiiKERが乗っている箱はふつうの紙製の箱である。突起がついていてキューブの穴部分にプスッと刺して固定してあるだけ。というわけで、この箱は特に必須部品というわけでもなさそう。



 充電はMicro USBで行う。端子はヘッドフォン≠フ片方の下についている。





 さっそく、Micro USBケーブルをつないでみると――



 おっ、ブザー音がピッ≠ニ鳴り、「G」のロゴが点灯した。充電中である。
 中国語の説明書なので、よくはわからないが、フル充電には約小一時間。それで使用可能時間は約30時間ちょっとらしい。
 充電完了すると、「ピーポーピーパーポーピー」とビープが鳴る。しかし「G」のロゴの点灯は消えない。ここは消えて欲しかったなぁ。

ヘッドフォン≠外すとこんな感じ。キューブ本体への充電は、Qiなどではなく――



 青面センターと緑面センターに穴が開いていて、そこにヘッドフォン≠フ針を刺して接続するのである。

 さて、充電している間に、スマホにアプリを入れてしまおう。
 ちなみに対応しているスマホは、iPhoneの場合iOS8.0以上、Androidの場合Amdroid4.4以上だそうである。
 わたしはAndroidしか持っていないので、以下、Androidの説明になる。
 説明書にはQRコードが印刷されているので――



 それを読み取って、サイトへ飛ぶと――





 なんだこりゃ!? GoogleのPlayストアに行くことは行くが、全然関係ないチャットアプリのインストールになってしまう。これはちょっとおかしい。
 ので、手動で検索する。Xiaomi GiiKER Smart Cubeで検索したところ、「SUPERCUBE 超級魔方 by GiiKER」というアプリが見つかった。



 これこれ。これだよ。というわけで、これをスマホにインストール。

 起動すると、こんなタイトル。おっとその前に、スマホのBluetoothをONしておくのを忘れずに。



 そして、「Connect your Supercube」の画面になる。



 充電はまだ不十分だが、ちょっと試したくなり、充電ケーブルを外してConnectしてみた。
 ちなみに、キューブ本体にスイッチ類はない。が、キューブを持って、右側を反時計回りに動かすと(R')、ビープが三秒鳴り、キューブが起動したことがわかる。起動させないと、もちろんConnectはできない(と書いたが、その後、この「ビープ三秒」が鳴らない場合の方が多い。このあたり、謎仕様なのである)。
 Connect後は約10メートル程度の範囲で接続が維持できるようだ。明示的に電源断ができるのかどうかは、説明書をざっと眺めてみたがわからなかった。字が小さくて読めなぁぁぁい!



「Nearby Supercubes」に、キューブのデバイスIDが表示されるので、それをタップ。これでコネクトができた。と思いきや――



 あぅ、Low battery。言うまでもなく、キューブ本体の充電が足りないと言うこと。やはり数分の充電ではダメだったか。
 ではこの先は充電してから、ということで、この記事も次回へ続く。
posted by 結城恭介 at 08:00| 日記

2018年10月03日

【映画評】若おかみは小学生!

 先々週のこと――
 わたし「週末、一緒に映画観にいかない? 今なら、『スカイスクレイパー』か『死霊館のシスター』、『若おかみは小学生!』がお勧めなんだけど』
 細君「んー、それだったら『スカイスクレイパー』かな」
 わたしは虚を突かれた思いがした。
 わたし「えー、直子さんはてっきり、『若おかみは小学生!』を選ぶと思ってたよ。この前、劇場を出るとき、ポスターをじっくり見てたからさ」
 細君「あー、あれは単に、原作を読んだことがあるからってだけよ」
 わたし「そーなんだ」

 というわけで、先々週のデートでは「スカイスクレイパー」を鑑賞。スカッとしたアクション映画であった。

 しかし、である。うーん、なにか心残りなのだよな。というのも、このところtwitterでは、「若おかみは小学生!」のダイマがTLにちょくちょく入ってくるのだ。曰く「号泣しました」、「子ども向けと思っていたらやられた。もうハンカチがぐっしょり」、「今年一番の映画決定!」、「感動して×回目の鑑賞。もう最初から泣ける」、「涙腺崩壊、でも、さわやかな感動に身が震える」、エトセトラ、エトセトラ……。
 ここまでべた褒めの嵐だと、こりゃあ、劇場で観ておかないと後悔するかも、という気分になってくる。

 そこで先週末。教会の帰り、台風が近づいているというのに、細君を誘ってみた。
 わたし「『若おかみは小学生!』、観てみない?」
 細君「(苦笑して)観たいの?」
 わたし「いや、twitterであれだけダイマがすごいと、これはやはり、市井のいち映画ファンとしては観ておかないとというか、なんというか、モゴモゴモゴ」
 細君「観たいなら正直に言えばいいじゃない(笑)」
 そう、観たかったんだよぉー。俺は『若おかみは小学生!』を観たかったのだ。『若おかみは小学生!』の原作であるエロ青い鳥文庫は読んだことはないが、なにしろこちとら、「Comic LO」や――


(茜新社「Comic LO 2002年10月号」表紙を引用)

「湯けむりスナイパー」で――


(原作:ひじかた憂峰/作画;松森正「湯けむりスナイパーPART III」3巻より引用)

 その手のJSモノ、温泉モノの予習は完璧なのである。

 細君「ぜんっぜん違うけどね(冷笑)」

 というわけで、劇場へ。



 ヒロインのおっこちゃんがお勧めするので――



 いつもは買わないポップコーンなんかもLLサイズで買っちゃったりして。



 ハンカチも新調し、いつでも泣けるよう手に持って、フィルムスタートに挑んだのであった。

 あらすじ――ヒロインの関織子(おっこ)は小学六年生。父母と同乗していたクルマで、高速道路でもらい事故に遭遇。奇跡的に助かるが、その事故で大好きな父母を失ってしまった。
 「花の湯温泉」で温泉旅館「春の屋」を営む祖母、峰子に引き取られたおっこ。そこで、祖母をずっと見守ってきたという幽霊、ウリ坊に出会い、彼の巧みな誘導で、「春の屋」の若おかみ≠ニなると宣言してしまい、修行の道に。
 ライバルホテルの令嬢や、他の幽霊、子鬼などとの出会いもあり、おっこは毎日忙しい日々を送る中、お客さまのために働くという、旅館業の本質を理解していく。いつも父母が身近にいてくれている、おっこはそのような気がしていた。
 そしてある日、お泊まりになったお客さまの事情を知って、おっこは残酷な現実をつきつけられることになる――。


 結果――うーん、なんたることか、わたしのハンカチは濡れなかった。
 もちろん、ウルッときたシーンは何度かあった。しかし、号泣はしなかった。
 劇場が明るくなって、細君を見ると、同じような感じ。

 だが、改めて、誤解のないよう書いておく。
「若おかみは小学生!」は佳作である。良い作品だと思う。すばらしい映画だった。いやむしろ、すばらしすぎる。減点法でも加点法でも百点満点である。
 わたしはストーリーテラーなので、アニメとしての出来栄えを云々する知識はないが、ストーリーテリングのサイドから見れば、ここまで瑕疵のないお話にはそうそう出会えない。感服した。うまいなぁとシャッポを脱ぐ。
 まさしく珠玉。傷ひとつない、美しい宝石のような完成度。バックグラウンド、キャラクター設定、全体を貫くテーマ、息抜きのギャグ、そして基本の起承転結、なにひとつ、過不足がない。

 それゆえ、号泣できなかったのだなぁ……。わたしはひねくれものなのだな。きっと。

 みんな大好きファーストガンダムで、ランバ・ラルが新型モビルスーツグフ≠ノ乗って、アムロのビームライフル射撃を紙一重でよけまくるシーンがある。そのときの台詞を思い出していただきたい。「正確な射撃だ。それゆえ、コンピュータには予想しやすい」

 そう、「若おかみは小学生!」のストーリーは、完璧すぎて、先が読めてしまうのだ。これは「若おかみは小学生!」が悪いのではない。わたしが商売柄、そういう大人になってしまったからなのである。
 以前にも書いたが、わたしはストーリーを線や面ではなく、立体構造物として脳内で構築している。
 なので、連続ドラマの順番を入れ替えて観ても一向に平気。映画も、途中から観て、最初から見直して、その途中のところまできたら観やめるのも全然平気。
 こういうひねくれた人間の涙腺を崩壊させるには、ドラマツルギーの裏をかく必要があるのである。

 が、本来、対象の客層を小・中学生とする「若おかみは小学生!」にそんなことをする必要があるだろうか? 
 また、大人であっても、「感動して涙が止まらない」という感想を漏らす方をくさす気はまったくない。わたしも、ストーリーテラーのはしくれでなかったら、もっと素直に泣けたのだと思う。

 結城さんは「若おかみは小学生!」アンチなんだ、と思われては困る。真実まっとうに心をこめて作られた作品だと思っている。本当につまらない作品だったら、観てもわたしはなにも書きませんよ。
 ただなんだ、twitterで「泣ける」というワードがあまりに多すぎて、自分の中でハードルが上がってしまった部分があることも否めない。SNSの悪い面が少し出てしまったかな。

 とにかく、泣ける泣けないは別にして、「若おかみは小学生!」は良い作品なのである。
 いい作品なのに、やっているハコや回数が少なくなっているのが残念だ。今週末の連休、なにか映画を観たいと思うのなら「若おかみは小学生!」お勧めです。ぜひ、映画館へ足をお運びいただければ。
posted by 結城恭介 at 08:00| 書評・映画評