2019年04月03日

【回想録】ゲーム「吊」の思い出

「令和」――令和かぁ。うーん、まだいまいちしっくりしないが、そのうち慣れてくるでしょう。平成のときもそうだった。

 昭和から平成になったときのことは「【昭和の遺伝子】昭和の終わり」に書いた。
 昭和の終わりと平成の始まりは、昭和天皇陛下のご崩御が前提であったから、世間は自粛ムードで、今回のようなお祭り騒ぎになりようがなかった。みな粛々と「平成」を受け入れるしかなかったのだ。

 一カ月後の改元をめでたい気分で、日本国中が祝えるこの雰囲気を迎えることができたことを、生前退位のご英断をなされた平成天皇陛下に感謝したい。

 我らがカトリックの総本山バチカンでも、前パパ様でいらっしゃったベネディクト16世猊下が2013年に、719年の伝統を破って生前退位している。
 天皇陛下も教皇様も、宗教的シンボルという点では同じである。
 わたしも心の奥のどこかには、「そういう天に選ばれた方は、自由意志で退位せず、命の限り職位についていてほしい」という気持ちが、ほんのわずかでもないではない。

 しかし、パパ様の代替わり、天皇陛下の生前退位(の予定)を経験してみて、このお祭り騒ぎも悪くはないな、という気分になっている。
 なにか、新しく、これから日本が良い方向に向かっていく期待がもてる春になりそうだ。

 さて、「平成」のときの第一印象は「平等になる」だったと、先の記事には書いた。
 では今回の「令和」はというと――あぁ、なんたることか、わたしは一本のアダルトゲームを最初に連想してしまったのである。

 それは、「D'z」というメーカーが1998年に出した「吊(つるし)」というゲームなのであった。

 今、検索してみると、なんと、DMM GAMESで買うことができる。なんとも便利な時代である。
 ゲームはいわゆる「鬼畜・陵辱系」になるのだろうか。主人公がクズ中のクズで、愛情が重くなってきたヒロインをうとく思い、あれこれひどいことをする&させるという話。実を言うと細部はもう覚えてはいない。

 それなのになぜ「令和」でこのゲームを連想したのかというと、このゲームのヒロイン名が「レイナ(麗奈)」だったからなのだ。

 いや、それだけで、今まで何百本とプレイしてきたゲームのうちの一本を瞬時に思い出すというのはどうかしていると自分でも思う。実はそれにはわけがある。
 このゲーム、音声つきだったのだが、DMMのレビューなどでは触れられていないが、声優さんが――なんというか、個性的というか、ありていに言ってしまえば、すごくヘタだったのである。
 ゲームそのものは、そう面白いものではなかったのに(というか、わたしは鬼畜・陵辱系は嫌い)、当時、パソコン通信(NIFTY SERVEのFCGAMEX)やインターネットでは、その声優さんのヘタさがむしろウケてしまい、「脳天とろけそう」、「常駐してしまう」、「むしろこの声以外考えられなくなってきた」と、妙な方向でウケてしまったのだ。

 私的ネットの中でも、この「吊」は上記の理由でウケにウケてしまい、わたしはオフで、ヒロイン麗奈の「レイナはね、レイナは○○なのぉ〜」という口癖を披露して笑いを取ったのであった。

 それが、ああそれが、今回の新元号発表の「令和」で最初に連想してしまう事象になってしまうとは。
 管官房長官が「レイワです」と言ったとたん、頭の中で「レイワはね、レイワは新元号なのぉ〜」と、あの声優さんの声がひらめいてしまったのである。

 おそらく日本国民一億二千万人の中で、あの瞬間に「レイワはね、レイワは新元号なのぉ〜」と脳内でニューロン発火し「吊」の記憶がシナプス結合していたのはわたしだけに違いない。
 いやひょっとしたら「吊」の声優さんや、スタッフの方は、ちょっとは連想してくれたかなぁ……。

 そんなわけで、リリカルに始まった「平成」に比べ「令和」はわたしの中でもスラップスティック気分である(笑)。

 しかし、新元号が「令和」でなかったら、わたしの脳の長期メモリ領域から「吊」の記憶は消えていたかもしれなかったのに。
 しかもここにこうやって書いてしまって、もう消えない記憶になってしまったのである。

「吊」には確か続編もあって、そちらでは声優さんがうまくなってしまっており、いまいちそちら方面では盛り上がらなかったというような覚えがある。
 ううむ、DMM GAMESで買って、ひさびさにあの声を堪能してみようか、な。

 追記:私的ネットの過去ログを検索してみると、D'sはまず一作目に「嫉」という作品を出していたようで、「吊」は二作目だったらしい。FCGAMEXの過去ログがあればもっと詳しいことがわかるのだが、十年前以上前に焼いたCD-Rが読めなくなってしまっていた。残念である。
タグ:ゲーム
posted by 結城恭介 at 08:00| 回想録