2016年08月16日

【日記】嫌われ者プレイ

前回の最後「嫌われてもいいや」で思い出したのだが、実はわたし、いわゆる「恋愛シミュレーションゲーム」で大好きな遊び方があるのだ。

それがタイトルの「嫌われ者プレイ」。

だいたいにおいて好かれようとするのが前提の恋愛シミュレーションゲームにおいてキャラに嫌われようとするのが既に常軌を逸しているので、これをやっていてすごく楽しいゲームはあまりない。
それはつまり、制作者側が「プレイヤーが嫌われる選択肢を選ぶこと」をあまり考えてつくっていないからである。たとえば
しずえ「おはよう、村長君。今日のマラソン大会がんばろうね」
プレイヤー選択肢
 1:もちろん、一緒に走ろうね。
 2:僕は僕でベストをつくすよ。
 3:おまえが落とし穴に落ちるよう祈ってるよ。

なんてので3を選ぶと、しずえさんの反応がただ
「……」

で終わってしまったりするのである。これではつまらない。

が、逆にものすごく嫌われるのが楽しいゲームもある。そういうゲームはつまり自由度が高いのだ。
今まで一番、嫌われて楽しかったのがコナミの「ときめきメモリアル」のヒロイン詩織であった。

詩織はいちおう、このゲームのメインヒロインである。成績優秀容姿端麗のストレートロングにカチューシャが定番の美少女で、しかも幼なじみ属性もち。髪の毛が真っ赤であることを除けばプレイヤーの誰しもがまずはこの娘とハッピーエンドを迎えたいと思うだろう。ただし、髪の毛は真っ赤。大事なことなので二回言いました。

この「ときめきメモリアル」はストーリー重視ではなくプレイヤーのステータスをあげて魅力を増すことを大きなゲーム性としている。
で、詩織は上記のごとくかなり「レベルが高い」ヒロインなのでなかなかこちらを振り向いてくれない。「一緒に帰ろう」イベントがあったりすると「噂されると恥ずかしいから」とか抜かして一人で帰りやがったりするのだ。

と思いきや、逆にプレイヤーのステータスが高いと、逆に向こうからすり寄ってくるのである。詩織じゃなくて「さより」ですな。腹黒いから。以降、このモードの詩織は「さより」ということで。

で、すり寄ってきた彼女に「いい選択肢」を選んでいればハッピーエンドになれるわけだが、あえてここで、わざと嫌われる選択肢を選ぶ! そしてどんどん嫌われ度をあげる。嫌いならこっちにこなければいいのに、さよりだから寄ってくる。で、また嫌われる選択肢を選ぶ、サイコー(最低!)。

こんなことをやっていると、さよりさんの返事が非常にトゲトゲしくなってくる。
プレイヤーが水泳大会で優勝すると
さより「今度はドーバー海峡横断に挑戦するんだって?」
プレイヤー「ま、まさかそこまでは」
さより「ふぅん、やっぱり」

プレイヤーと他キャラ同士のダブルデートがあったりすると
さより「あたし、一人の方がよかったな」

他の女の子に紹介をせがまれると
さより「物好きな娘がいるものね」

演劇部で出し物が成功したのに
さより「あたしは配役に問題があったと思うけど」

他にも
さより「いやな人と一緒にいるから落ち着けない!」

とか、
さより「まあせいぜいがんばったら?」

とか、非常に冷たいお言葉をかけてくださるのである。
あ、今では常識かもしれないが、これ全部、もちろんリアルボイス入りである。リアルボイスで蔑んだり罵られたりぶすくれた悔し紛れの捨て台詞を吐いたりするものだから、プレイヤーはもう爆笑してしまう(ひでぇ)。
そんなにプレイヤーが嫌いなら、近寄って来なければいいのにね。

マザー・テレサは「愛の反対は憎しみではなく無関心です」とおっしゃった。至極名言である。プレイヤーに無関心でいられないだけ、さよりさんの負けなので面白いのである。

さよりさん以外でも嫌われ者プレイをやってみたが、彼女以上に面白い反応を示してくれるキャラはいなかった。

この記事に特にオチらしいオチはない。
ここ数年、アドラーの「嫌われる勇気」が流行っているようだけれど、空気を聖典とする日本教徒があれを実践するのは難しいことな気がする。

せめてゲームの中でくらいは、空気を読めない嫌われ者発言のトレーニングをするのも楽しいよ、というまとめでいかが?
posted by 結城恭介 at 08:00| 日記