2017年02月22日

【カットリク!】真昼の悪魔・その3

フジテレビの土曜深夜のドラマ枠「オトナの土ドラ」で放映中のドラマ「真昼の悪魔」の「カットリク!」である。今回はその三回目、2017/02/18放映分。
おや、また朝日新聞に紹介記事が載っていた。



 教会のざんげ室で父の徳弘(村井国夫)の殺害を予告した葉子(田中麗奈)は、連日、徳弘に料理を作る。


はぁい、先生、今まで何回も何回も注意しましたよね。現代のカトリック教会に「ざんげ室(ぷ)」はありません! あるのは「告解室」です。
あなたが間違うたびに、先生、何度でもお尻ペンペンしますからね! 覚悟してらっしゃい。

実際、こういうラテ欄の文章は、テレビ局が送ってくる内容そのままを掲載しているのかもしれないが、それでも朝日新聞校閲部を通らず紙面に載ってしまうものなのだろうか。
それを置いても、ここ十年ばかりのラテ欄の文章は、記者が書いたものでもずいぶん幼くなっているような気がする。

カットリク!ポイント11――
カットリク!には、カトリックの「ゆるしの秘跡」を模した「懺悔」という謎の儀式がある。


さて、紹介記事に上記のように書いてあったので、また「ざんげ室(ぷ)」でいち記事書かなくてはいけないかと第三話を通して観ていたのだが、なにー、今回は教会も「ざんげ室(ぷ)」も伊武雅刀演じる神父様も出てこないではないか。

なぁんだ、ガッカリ……って、いや別に、世の中にカトリックの誤解を蔓延させる「新興宗教カットリク!」が出てこないことはいいことなんですけどね。わたしも本末転倒だ。

と、思っていたら、最後のテロップのところで――



だんだん怪しい存在感を増してきた病院清掃員の芳賀が、女医なじみの焼肉店で、なんと聖書を読んでいるのである。

芳賀「自分の父または母を撃つ者は、必ず殺されなければならない。自分の父または母をのろう者は、必ず殺されなければならない」


これは出エジプト記21章の15節、17節である(「のろう者」だけならレビ記21:11もあり)しかも日本聖書協会の口語訳だ。


(クリックで拡大できます。今回は出典がちゃんとしている)

前回、女医が読んでいたのは、「【カットリク!】真昼の悪魔・その2」で指摘した通り「謎出典の文語訳」だったが、今回は口語訳。一応、きちんと引用している点は評価したいが、こちらも文語訳なら統一感があって良かったのでは、と思う。
ちなみに文語訳なら「その父あるいは母を撃つものは必ず殺さるべし。その父あるいは母を罵る者は殺さるべし」となる。

そして、次のこのカット、聖書読みなら、「あ、おかしい」とすぐわかることがある。



おわかりいただけるだろうか。これ、「出エジプト記」だと本の開きが真ん中過ぎるのである。
実際に「出エジプト記21章15節(口語訳)」のページを開いたところを横から見てみると――



一目でおわかりいただける通り、旧新約聖書合本のまだまだ最初の方。ドラマのカットのように真ん中ということはない。



そして芳賀は本を閉じる。どうやら古い口語訳聖書のようにも見える。青いしおり紐のあたりは全然「出エジプト記21章」ではない。赤い紐は「イザヤ書」か「エレミヤ書」のあたりかな。もちろん、ドラマのストーリーとは全然関係ない。

今回は前回と違い、ちゃんと「日本聖書協会の口語訳聖書」からの引用だったので、特にカットリク!ポイントはつけないが、こういうディティールの穴がすぐ見つかってしまうあたり、ツメが甘いなあ、とキリストもんとしては残念に思うのである。

ところでこのドラマ、全何話なのだろう。原作では後半にも活躍した神父様は、ドラマではこのままフェイドアウトしてしまうのか。一応、録画予約は入れておこう。
posted by 結城恭介 at 08:00| 新興宗教カットリク!の研究