2018年05月13日

【日記】シシトウ

 食道と胃関係の持病を持っているくせに、シシトウが好きだ。いや、シシトウのような辛いものは、病気になる以前から好きだったのだ。それゆえ、この持病のひとつを患ってしまったのかもしれず。

 シシトウは、わたしが子どもの頃は、家庭の食卓に上らなかったように思う。調べてみると、日本で一般に広まったのは二次大戦後、となっているが、実際に、多くの人の口に入るようになったのは、もっとあとなのではないだろうか。

 Wikipediaを読むと「食べるロシアンルーレット」と書いてあって、笑ってしまった。たしかにアレは、食べるロシアンルーレットだ。
 わたしは「当たり」を引き当てると、けっこううれしい方(変わってる?)。舌が激痛に襲われ、氷を舐めてしばらく我慢する。なぜ好きかって? だって、日常生活でこんなに刺激的なことって、そうそうないでしょう? それが舌への物理的な辛みであっても。

 一度、ファミリー・レストランで、この「当たり」に当たってしまった。このときの「当たり」はものすごく、ウェイトレスのお嬢さんに氷入りの水を持ってきてもらって、しばらくモゴモゴしていた。
 ウェイトレスのお嬢さんは平謝りであったが、別に彼女や厨房のせいではない。シシトウというのはそういうものだから、と、笑って済ませた覚えがある。
 それにしても、あのシシトウの当たりはすごかった。30分くらいは、氷をモゴモゴやっていたのではないかなあ(笑)。

 今は、飲み屋はともかくファミレスレベルだと、シシトウは出さなくなったかもしれない。とにかく、なんにでもクレームをつける客というのはいるものだから。
 ファミレスに勤めていた友人から聞いた話だが、チキンにカラシを塗った「小悪魔風」メニューを自分で取っておいて、「こんなカラシを塗りたくったもんが食えるか!」とクレームをつけてきた客もいるそうである。

 自分で料理を作るようになってからは、頭をもぎ半分に切って種を取って、皮を油でざっと炒め、醤油を振りかけたものを出す。これで「当たり」がだいぶ減った感じがしていたが、実は最近は品種改良により、激烈に辛いシシトウは市場にでることはなくなったのだそうだ。なぁんだ、寂しい話である。

 それでも、たまに、激烈とは言わないまでも「当たり」を引くことがあるのは、みなさまご存じのとおり。さて、そういうときどうするか、わたしは回避方法を発明してしまったのである。それを知ったからこそこの記事を書いていたり。

「辛ッ!」ときたら吐き出す? ノン、ノン。逆にもう、すぐ飲み込んでしまうのである。舌の上に乗せず、一気呵成に食道へ送り込んでしまう。
 するとそのうち、ほんのり、胃が温かくなってくるが(笑)、舌が氷を必要なほどの辛さは回避できる、と、こういうわけ。

 細君「ちょっとー、ただでさえ食道と胃に持病があるんだから、それはまずいんじゃない?」

 と、細君には不評だが、自分はこの回避法を気に入っている。少なくとも「ロシアン・ルーレット」で負けたりしない必勝法である。

 みなさまも「当たり」を引いたときは、お試しくだされば。
posted by 結城恭介 at 08:00| 日記