2018年06月04日

【日記】偏差値と制服

 わたしの行っていた高校は、市の新設校であった。新設も新設。なにしろわたしは二年目の入学者であった。学校の方針自体は進学校を目指していた。
 制服は当時珍しく、男女ともネクタイで女子はジャンパースカート。そして男女ともブレザーである。カバンも学校指定のものがあり、学校の名前がローマ字で記されていた。
 ネクタイピンも学校指定のものであり、学校章が入っていた。

 今では珍しくもないネクタイにブレザーの制服だが、当時は本当に珍しかった。
 学校側がその制服にした理由は、当時よりちょっと前、「荒れた高校」が市内にいくつかあり、男子はボンタン、女子は超ロングスカートなどの変形学生服が流行していたのだ。学生カバンをペッタンコにして板のようになるまでボンドで貼り付けるようなこともはやっていた。
 正直、そんな服装やカバンのなにがカッコいいのか、今も当時もわたしには理解できない。今では昭和のドラマくらいにしか出てこないロストカルチャーである。

 わが校の女子制服だったジャンパースカートは、今のように短くはなかったが、当時は「おしゃれ」に見られていたようだ。母校の中学校へ行ったとき、後輩の女子に「同じ高校へ行きたい。制服がかわいいから」と言われ、偏差値のみで進学先を選んでいた自分は「へぇー、女子はそういう観点からも進学先を選ぶのだなぁ」と新鮮に感じたものだった。

 さて、自分が卒業して、まっとうな大人として社会人生活を営んでいれば、母校の偏差値など興味がなくなるのがフツーの大人である。
 わたしが若かった頃は「学歴社会」という言葉がまだ通用したが、バブル後のこの世は、実際、それほど甘くない。
 いわゆる「いい大学」を出ている人が「全然使えねーやつ」だったり、無名校出身でも「こいつはすげえやつだ」という人材がゴロゴロしていることを知るのが社会人生活というものである。
 逆説的になるが、いわゆる「いい大学」を出ている人ほど、上記のことをよくわかっていたりしているのも面白い。

 そんなこんなで、わたしは自分の出身高校を、「中の上」くらいの偏差値だとずっと思っていたが、ある日、親戚の子が受験をするので、アドバイスを欲しい、と訪ねてきたのである。
 そしてびっくりしてしまったのだが、わたしの出身校は、今は偏差値的に「上の中」くらいにまで上がっていたのである。なんと、当時、わたしが偏差値的に諦めた学校が、逆に「中の上」くらいに落ちてしまっていたのであった。

 わたしが諦めた高校は、男子は学生服、女子はセーラー服ではなかったかな。当時は上記の通り「上の中」の進学校で、変形学生服などを着ている生徒はいない、真面目な校風だった。。
 この数十年の間に、見事に逆転現象が起きてしまっていたのである。
 あらためて、今の高校の偏差値表を見てみると、当時とは全然違っていて、さらにびっくり。細君などは、当時「上の中」の高校に行っていたのに、今は「中の中」くらいにまで落ちてしまっていることを知って、ガックリである。
 まあ、細君が通っていたのは女子校だったから、今の時代、人気がないのは無理ないのかもしれない。

 そう、「人気」なのである。
 オトナは、進学先を決めるのは「偏差値」だけだと思いがちだ。しかし、実はその他の魅力も大きかったのだ。「制服」はひとつの例にすぎないが、特に女子にはこれ、かなり大きな「魅力」だったり、逆に「難点」になったりするのだろう。

 ギャルゲやエロゲの女子の制服で「それはないだろう」というのは少なくないが、学校経営の戦略的には間違っていないのだな、と思ったりもするのである。

 どこぞの小学校の制服がお高いブランド品で賛否両論、などというニュースがあったが、そういうのもいいんじゃないですかねぇ? 少なくとも、関係者でない人間が文句を言う筋合いではないのではないかな。

 ファッションは周期性があって流行が繰り返されるという。
 今のわたしの母校の制服は、現代の中学生の目から見ると「ちょっとダサい」のではないだろうか。
 もしかしたら、数十年後には、また偏差値の逆転現象が起きているのかもしれない。
posted by 結城恭介 at 08:00| 日記