2018年08月08日

【日記】「なんだっていい」には要注意

 クライアントの要望を聞いていくと「○○できるならなんだっていいよ」という言葉を聞くことがある。たとえば、あたらしいPCを導入したいとき「ネットできるならなんだっていいよ」とかね。
 しかし、この「なんだっていい」は要注意である。この言葉を聞いたら、わたしの中のサイレンは黄色くクルクル鳴り響く。こりゃあ、ちょっとてこずるな、と。

 私事の例だが、わたしの細君もそうだった。彼女は「クルマにこだわりはないよ。移動できればなんだっていい」と言っていた。
 ところが、いざ、乗り換えとなると、「Aはどう?」、「大きすぎて立体駐車場に入らないのは嫌だな」、「Bはどう?」、「ハンドルが平らなタイプはちょっとなー」、「Cはどう?」、「荷物があんまり載らないんじゃない?」、「じゃDは?」、「軽は怖いよ」、「E?」、「うーん……」。
 こんな感じ。「こだわりはない」どころか、こだわりだらけなのである。結局、彼女の要望を満たすクルマは一車種しかなかった。
 こうやってインタビューでスクリーニングして絞り込めるならまだマシなのである。一応、細君は「ダメな理由」を買う前に列挙してくれるから。むしろ、一車種しか満足できるクルマがなかったということで納得も早い。

 一番やっかいなのは、買ってから「そうじゃなかった」と言い出すお客さま。
「ハイビジョン編集しようとしたらさぁ、このパソコン、ブルーレイ積んでないじゃない」
「それは――お客さまがネットができればいいとおっしゃったので」
「スマホでもハイビジョンはもう常識なんでしょ? 子どもがそう言ってたよ。ブルーレイドライブに換えてくれないかなぁ」
 仕方ない。部品代だけは差額をいただいて、工賃はタダで作業することに。
「このパソコンでエクセルのファイルが開けないんだけど」
「それは――お客さまがネットができればいいとおっしゃったので、そういったアプリケーションはインストールしていませんよ」
「それじゃ困るんだよ。え、アプリは別料金なの? なんだボリやがるなぁ」
 そんなんマイクロソフトに言ってくれ! 結局、インストール代はロハでMS Officeをインストール。一瞬、キングソフトにしてやろうかとも思ったよ。キングソフト良いよね。

 結局「○○ができればなんだっていい」というクライアントは、実は自分がなにを必要としているかをわかっていないのである。
 下痢で慌てているときは「どんなトイレだっていい」と言って人を頼るが、ホッと一息つくと「なんだ洋式じゃないじゃないか」「いまどきウォシュレットじゃないなんて」と文句を言い出すのである(シモの例えでゴメンね)。

 某パソコンチェーン店のボリ様が話題になったことがあったが、なにしろ、多くのお客さまは驚くほど「無知」なのだと、ネット民はちょっと気に掛けていただきたい。MS Officeのインストール代を取るのだって、そういう項目を作らないと、「箱はあるのにインストールされてないじゃないか」と言い出す客がいるからである。自分一人ではなにもインストールできないお客さまは珍しくないのである。

 そんなわけで、「なんだっていい」には要注意、という話。
 ま、なんだっていいんだけど、ね(あっ、要注意!)。
posted by 結城恭介 at 08:00| 日記