2018年08月18日

【映画評】カメラを止めるな!

 最初は二館上映だったインディーズ映画が、口コミの評判であれよあれよというまに全国拡大公開に。
 とても面白いと観た者誰しもが言うが、どう面白いのかを訊くと口をモゴモゴさせてしまうという不思議な映画「カメラを止めるな!」が、遅ればせながらわたしの住む地方都市でも上映されることになったので、細君とさっそくはせ参じてきた。



 すでに観てきた方のレビューで、だいたいの内容は「ゾンビ映画の撮影に廃墟を訪れたロケチームに、本物のゾンビが襲いかかる」というものだとはわかっている。
「でもね、それ以上に面白いから」
「それ以上? どんな」
「うーん、ごめん。それ以上≠ノ触れると、あなたが観たときにつまらなくなっちゃうから」
 というのが、だいたい個人でもネットでも定番のお答え。
 なんだろうなぁ? ロケ隊が実はすでにゾンビだったとか? などといろいろと妄想たくましくしながら、夕方からの上映に入場。いつもはガラガラな劇場と時間帯だというのに、今日は三分の二くらい埋まっている。口コミというものはすごいものだ。

 さて、答え合わせ。
「カメラを止めるな!」は、「ゾンビ映画の撮影に廃墟を訪れたロケチームに、本物のゾンビが襲いかかる」というものだ。しかし「それ以上に面白い」。とはいえ「それ以上≠ノ触れると、あなたが観るときにつまらなくなっちゃうから」書けない!

 本当に口コミのままである。
 いやしかし、マジにそれ以上書けないのだ。たとえば「よく練り込まれたシナリオ」というごくふつうのほめ言葉でさえ、ネタバレになってしまう(カッコ内は反転で読めます)。

 この面白さを伝えようと、雰囲気を似たような映画で例えようとしている方も多く、その中で挙げられる「サマータイムマシン・ブルース」が、わたしも「雰囲気は似ている」という点で、似ているかな、と思う。

 もうひとつ、これを挙げている方は見かけないが、都井邦彦先生の「遊びの時間は終わらない」(ただし映画の方ではなく小説の方)が、似たような感じかな、とも思う。

 とにかく、伏線の回収がうまい(こう書くだけで、もうネタバレスレスレである)。

 ひとつ言えるのは、以前の記事に似たようなことを書いたが「映画のエンドロールは最後まで観ろ!」ということである。
 この映画に限っては、エンドロール後を観ないということは、面白さの90パーセントを見逃していると言ってもいい。

 そしてエンディング後、劇場をあとにするときは、観ていた皆が不思議な一体感に包まれ、笑顔で、楽しかったねー、と口々に言っているような映画である。ポン!

 なんというか、映画本編に触れないで感想を書かなければいけないというのは、なんとも、評者が試されているような映画でもある。

 まだまだ全国上映は始まったばかり。この夏、一本だけ映画を観るのなら、ぜひとも候補の上位に入れてほしい映画。わたしが邦画を褒めるのはそうないはず。
 実はこの映画の前に「未来のミライ」を細君と観ていて、誘ったことをちょっと後悔していたのだが(ま、そういう評価)、細君も「カメラを止めるな!」は十分に楽しんでくれて、点数稼ぎができてうれしかったりする。

 血のりとかはけっこう出てくるし、手持ちカメラで酔いやすいタイプの方はちょっとダメかもしれないが、そうでないカップルなら、デートムービーにもいいかもしれない。
 観終わったあと、「ポン!」の一言で、で二人で笑ってしまうから。約束する。
posted by 結城恭介 at 08:00| 書評・映画評