2018年12月26日

【映画評】ニセコイ

 最近は「クリぼっち」という単語の確立化とともに、クリスマスのカップルを迫害する運動が広がりつつあるようだが、青年時代をバブルで過ごした老害としては言いたい。

「やっぱクリスマスは恋人と過ごすモンっすよ」

 そしてキリストもんとしては、夜は教会へ行ってミサに与る、と。

 というわけで、今年の12月24日のクリスマスイブの昼間(キリストもんの正確さとしては、24日の日没まではクリスマスイブではなく、待降節第四週の最終日≠ネわけだが、まー、一般人に合わせる)、わたしは最愛の細君とともに、映画デートと洒落こんだのであった。

わたし「くるみ割り人形≠ヘもう見ちゃったしねぇ。今ならボヘミアン・ラプソディ≠ェ評判だけど、直子さん、クィーンとか聞かないでしょ?」
細君「アリー・スター誕生≠ヘどう?」
わたし「俺がレディー・ガガに興味ないからなー」

 と、ファミレスのモーニングでいろいろ検討した結果。半ば誘導的に「ニセコイ」実写版を二人で見るという結論に。

 そうだよ、実は俺が観たかったんだよぉお、「ニセコイ」実写版を。

 前評判ではコスプレ大会、学芸会、爆死決定という声が多数の実写版「ニセコイ」。出ている俳優さんが誰かも実はよく知らない。けれど、古見直志先生の「ニセコイ」原作を全巻通し読みしたばっかりだったので、記憶が新しいうちに、あの長いラブコメをどうまとめるか、興味があったのであった。

 ちなみに、わたしも千葉県のYさん(結城)であるが、あの千葉県のYさん≠ナはないw
 その千葉県のYさん≠焉A原作者の古見直志先生も、巷間聞くところお勧めの出来という。これはひょっとして拾いものかもよ、という思惑もあった。

 あらすじ、というか設定――凡矢理高校に通う高校生、一条楽は、実はヤクザ集英組≠フ一人息子。組員たちからは二代目≠ニ期待されているが、本人はヤクザを継ぐ気はない。そんな彼が住む街に最近幅を効かせてきたのがニューヨークのギャング組織ビーハイブ=Bこのままでは両者がぶつかりあい、一触即発の事態になってしまう。そこで集英組の組長とビーハイブのボスは、互いの息子と娘を恋人同士≠ニいうことにして、子分たちの抗争を納めようともくろんだのであった。すなわち、ニセの恋人同士「ニセコイ」の誕生である。


 ところで、わたしは基本的に「メインヒロイン推し」である。「メインヒロイン」であるというだけで、推しパワーが三割あがる。もちろんアイマスでは「ののワ」さん推しである。うー、わっほい!
 そして本作「ニセコイ」のヒロイン千棘=\―ちとげ。すごい名前だよね――ちゃんが可愛いんだこれがまた。設定は金髪碧眼だが、日本語もペラペラという設定。
 ビジュアルも可愛いのよこれがまた。


(古味直志「ニセコイ」22巻より引用)

 あ、違った。


(古味直志「ニセコイ」22巻より引用)

 違うってぇ!


(古味直志「ニセコイ」12巻より引用)


(古味直志「ニセコイ」25巻より引用)

 ああ、カワユス! これが本作のヒロイン、千棘ちゃんなのですよ。
 そして映画では彼女を、中条あやみさんが演じている。コスプレ大会の名に恥じず、金髪、碧眼で。金髪はヅラなのかなぁ。地毛を染めて金髪にしているのだろうか。碧眼はカラーコンタクト? CG処理? そのあたりはよくわからないが――正直、原作の千棘ちゃんの可愛らしさに及ばないというのが感想。

 これは中条あやみさんの責任ではあるまい。彼女は本当にハーフなのだそうだが、それでも、やはりどこか無理があるのである。
 もちろん、ほかの役者さんたちもみんな無理がありまくり。大コスプレ大会である。主人公、楽のヘアピンが痛いw 千葉県のYさんは満足なされたそうだが、マリーのヘアスタイルも変だ。
 一番まともなのが、小野寺小咲を演じる池間夏海さんだが、それでもやっぱり、ヘアスタイル、ちょっと変!
 マンガの実写を「絵面通りに再現」すると、こんなに無理がでるのだなぁ、と嘆息せずにはいられない。

 もっとも、こうして評を書いているからには、積極的に良かった、と感じた点も多々あるのである。
 まず主役の楽を演じた中島健人さん。確かに演技はちょっと棒だが、これが、劇中劇の「ロミオとジュリエット」の舞台に乗ると、いきなり颯爽と輝き出す。さすがジャニーズの方だなぁ、と感嘆である。
 それとストーリーも、ジャンプ連載最長のラブコメである「ニセコイ」のいいところを取捨選択して、いらないエピソードや人間関係は思い切りよくバッサリと切り、初見の観劇者を二時間を飽きさせない、密度のある物語になっている。

 細君は「ニセコイ」原作を読んでいなかったので、どんな感想になるか興味を持っていたのだが、「きれいにまとまっていたんじゃないの?」ということであった。

 原作「ニセコイ」も、ハーレム展開から風呂敷を畳む段になって、それぞれのヒロイン推し勢から作品評価が落ちていったようだが、最後に楽のハートを射止めた千棘ちゃんはメインヒロインというだけで、ゴリ^h^h5割増しの魅力があるからしかたないのである。

 いやほんと、原作のストーリーも、あれだけ長いラブコメ、ハーレム展開にも関わらず、最後は見事にまとまっていると感じる。やっぱりメインヒロインは8割増しだからね、仕方ないね。

 と、いろいろ書いてきたところで、万人にお勧めかというと、んー、まあ、なんだ。あなたとあなたのメインヒロインの仲がもう盤石なら、このクリスマスシーズン(キリストもんとしては、一月のエピファニー(主の公現)≠ワでは降誕節なのである)にネタとして観るのはアリかもしれない。
 見終わったあと、原作ファンなら突っ込み合戦、そうでないならコスプレ大会の感想戦と、けっこう話は弾むと思う。すくなくとも、わたしら夫婦はそうだった。

 そしてあなたも、目の前の彼女をもっと大切にしたいと思うかもしれない。
 だってあなたのメインヒロインは、メインヒロインというだけで10割増しなんだから。
posted by 結城恭介 at 08:00| 書評・映画評