2019年01月19日

【日記】1.4秒の攻防・その3

 いよいよこのシリーズ――

「あけましておめでギャー・その1」
「あけましておめでギャー・その2」
「あけましておめでギャー・その3」
「1.4秒の攻防・その1」
「1.4秒の攻防・その2」

 も、最後の記事である。いやー、引き延ばした引き延ばしたw

 保険会社「結城さんがお止まりになられたとき、こちら側のクルマのバックライトがすでに点灯しているのですよね」
 わたし「はぁ(そこまで気がつかなかった。さすがに見るところは見ているのだなぁ)」
 保険会社「そこで、その分――」
 わたし「(キタキタキタキターッ)」
 保険会社「修理中の代車代は出せない、ということでいかがでしょうか」


 そうきたかーっ!
 これは正直、予想の範囲内でもあり、範囲外でもあった。
 というのは、相手保険会社が代車を出し渋っているという情報を、こちらのディーラーの工場長さんから電話をいただいて、知ってはいたのである。
 ディーラーの工場長さんは良い人で、相手の保険会社からディーラーに確認の電話がきたとき「もし0対10なら修理中の代車を出しますよ」と伝えたら、保険会社が妙に抵抗し(普通は0対10なら代車が出る。というか、0対10でないと代車は出ない)、「0対10でも代車は認められないかもしれない」などとはぐらかされて、心配してわたしに電話をくださっていたのであった。
 そのときは、相手の保険会社はかなりシブチンだな、としか思わず、工場長さんの心配に感謝しつつ、過失相殺の方で削られる覚悟を決めていた。だからこそ想定対応集≠ネどもつくっていたのである。

 修理中の代車が出ない、というのは、それはちょっとは痛いが、うちにはもう一台、コンパクトカーがあり、それをやりくりすればなんとかなる。幸い、編プロの年末の仕事は終わり、年始早々、仕事で大量の荷物を積む予定はない。
 ディーラーに修理の期間が最低限で済む日を設定して集中して修理してもらえば、代車がなくともなんとかなる。
 わたしの頭はめまぐるしく回り、損得勘定を素早く行い、相手保険会社の申し出は「悪くない」と判断していた。
 それは、これが最初の提示であるから、粘ったりゴネたりすれば、相手が0対10を認めたのだから、代車代を出させることも可能かもしれない。しかし、それをやってこじれてしまったら、今度は余計に時間がかかる。その間、クルマのドアはへこんだままだ。
 ここは、もう一台、コンパクトカーがあるという状況を神に感謝して、条件を飲んでもいいのでは。

 横にいる細君に目配せをして、了解を得たが、取りあえずその場では即答せず、明日まで考えさせてくれ、ということで、この電話は切った。

 翌日の朝いちで相手保険会社に電話。その条件、つまり「過失割合0対10。ただし代車代は出ない」ということで了解します、と伝え、保険会社との交渉は終了した。
 当方が契約している保険会社にも連絡し、過失割合ゼロなのだから、今回はまったく関与なし、ということで一件落着。

 その日にディーラーへ行き、修理の日程が一番短くなる期日を設定していただいて、修理は年が明けて(つまり今年2019年)の一月の第二週、と決めた。日曜夜に入庫して、土曜日夕方には修理が済んでできあがってくるという。
 クルマがへこんだまま、平成最後の年越しをしてしまうことになるが、もうそれは仕方ない。

 帰りがけに、事故現場のコンビニに寄り、オーナーさんに顛末をお話しして、USBメモリを返していただいた。事故の動画は、やはりコンプライアンス上、コピーはできない、とのことだった。けっこう厳しいものだ。

 そして先週末、わたしの愛車は修理も済み、以前と同じツルッツルのきれいなドアになって返ってきた。これは板金加工で直したのだろうか。それともドアそのものを取り換えた? なんにしろ、前とまったくかわらない。ディーラーの技術は大したものだ。

 わたしは代車が不要だったから、保険会社の出してきた条件を飲むことができたが、これが、通勤や仕事で毎日クルマを使っている人だと、そういうわけにはいかないだろう。

 わたしもそういう立場だったら、クルマの扉はへこませたまま、もっと粘ったかもしれない。
 だいたい、過失割合0対10なのに代車代が出ない、というのは、本来、理不尽なのである。出て当然ではあるのだ。

 あくまで感触だが、粘って粘って、弁護士特約なども使って、調停までやれば、代車代半額くらいまでは出させることはできたかもしれないな、と思う。
 代車と言っても、ディーラーが出すそれは、要するに系列会社のレンタカーである(そのあたりが、街の修理工場の「余ってるクルマがあるから自由に乗ってっていいよ」とは違うのだなぁ)。このレンタカー代が莫迦にならないほど高いのだろう。おそらく、過失割合を1対9と主張するより、0対10にして「でも代車代はなしね」と取引の材料にする程度には。

 こちらは、自分が契約している保険会社を使わずに済んだので、結果として等級落ちは避けられた。その分が、出させることができなかった代車代分だと思っている。

 今回の事故で得た教訓で、今まで書いていなかったことを記そう。

 教訓その4:ドラレコは大事。現代の道路をクルマで走るなら、もう必須といってもいい。


 今回、ドラレコ動画がなかったら、「止まった」「止まっていない」という水掛け論で、過失割合ゼロは取れなかったかもしれない。一発で「止まっていた」ことを示せたドラレコは、動かぬ、いや、動く証拠である。
 わたしのドラレコもだいぶ調子が悪いことは以前書いた。今回のこの教訓をもとに、そろそろ、新型へリプレースを考えている。

 教訓その5:自分が思っているより、事故の状況は客観的に把握できていないものだ。


 今回、わたしも細君も、止まっている時間は5秒くらいあると思いこんでいたが、実際には1.4秒であった。事故の瞬間は時間が伸長するので、記憶は変質する。自分の記憶もあてにならないのである。それを客観的に見直すためにも、ドラレコは必須アイテムだ。

 教訓その6:代車代は保険会社にとってかなり高負荷な補償らしい。


 逆に言えば、わたしのように使えるクルマが二台あって、代車が不要という方は「代車は不要だから過失割合をゼロにしろ」という交渉の仕方もあるのかもしれない。もちろん、ケース・バイ・ケースだが。

 そんなこんなで、ドアがへこんだクルマでの年越しになってしまったが、こうやってブログのネタにもなってくれたし、いろいろ経験にもなったのでよしとする。

 クルマに乗っている以上、誰しもがいつ加害者、被害者になってもおかしくない。
 同じようなケースの事故に遭った方の参考に少しでもなっていれば幸いである。
posted by 結城恭介 at 08:00| 日記