2019年03月09日

【昭和の遺伝子】カップめんの思い出

 わたしがチキンラーメンを好きなことは「【昭和の遺伝子】インスタントラーメンの思い出」に書いた。それだけに、NHKの朝ドラ「まんぷく」を、毎日楽しみに見ている。
 話はチキンラーメンならぬ「まんぷくラーメン」が売れ、いよいよ「カップめん」の開発に取りかかったところ。そういえば、「カップめん」を初めて食べたときの思い出も鮮明に記憶に残っているなぁ、と思い、筆を執った次第。なお、内容は一部上記の日記と重複している。

 日清の「カップヌードル」は、発売当初から爆発的に売れることはなく、最初は販売に苦戦したという。それが日本国中に知れ渡ったのは、あの浅間山荘事件からであった。浅間山荘に立てこもった連合赤軍を包囲していた機動隊の隊員たちが「カップヌードル」を食べている様子がテレビに映り、全国的に「あれはなんだ?」「カップヌードルというのか!」と知られるようになったのだという。連ドラ「まんぷく」でそこに触れるかどうはわからないが。
 わたしも浅間山荘事件はテレビで見ていた。子ども心には、鉄球で家を崩す様子を「はぇー、すっごい(小並感)」と感じるくらい。後に大人になって連合赤軍のルポを読み、当時、通っていた小学校の近くで会議を開いていたことを知り仰天した。
 機動隊の隊員がカップヌードルを食べている様子は、記憶にない。ただ、それ以降、カップヌードルが日本の食卓にのぼるようになったのは確かである。

「カップヌードルが食べたい!」とせがんだわたしに、母はしぶしぶ買ってきてくれたのだが(我が家はけっこう、インスタント食品に厳しい家庭であった)、実際に初めて食べた「カップヌードル」の容器は、カップではなかった。
 禅問答ではない。なんとなれば、当時、カップヌードルはカップの発泡スチロールから体によくない物質が溶け出すという噂があり、そういうのを気にした母が、カップヌードルから中身をドンブリに入れ直してつくってくれたからである。
 今となっては、なんとも杞憂な話だが、当時は粗悪品もあり、母が気にするのも無理はなかった。

 そんな経緯もあり、わたしの脳の記憶域には、初めてカップラーメンを食べた思い出が、鮮烈に残っているのである。それは主食というより、スナック感覚の味で、わたしはすっかり気に入ってしまった。
 それ以降、カップラをドンブリに入れ直してつくった覚えはないので、母もカップラの安全性に納得したか、あるいは面倒くさくなったのかのどちらかであったのだろう。

 日清のカップヌードルが、こうやって爆発的に売れるようになると、ドラマで繰り返される展開だが、似たような商品がいくつもでるように。
 わたしも高学年になったので、自分のお小遣いでそういうものを買えるようになった。

 今でも思い出すのは、「カップライス」である。今はとんとなくなってしまったが、あったのである「カップライス」。お湯を入れて三分でご飯ができる。
 しかしこのカップライス、まずかった。実にまずかった。すぐに市場からなくなってしまった。
 即席ご飯市場は、今はレンチンしてつくる「サトーのごはん」が定番だが、当時はこんな際物もあったのである。

 さらに、現在では平たい器が当然の「カップ焼きそば」も、カップヌードルと同じ形状のカップで売り出されていた。これの湯きりが独特で、箸でフタに穴を開け、そこから湯を出してください、という、今では笑ってしまうような仕様であった。味はけっこう気に入ったのだが、これもすぐに消えてしまったなぁ。

 最初に出会った思い出が「ドンブリに入れたカップラ」という強烈なものだったのでよく覚えているわけだが、以降、昭和から平成最後の今年まで、食べたカップラの数は数えきれない。

 コストコで日清の「カップヌードル」が安かったので箱買いしたら、味がアメリカ向けになっていて違うのに驚いた。
 映画「マトリックス・リローデッド」で、ネオと集団スミスが闘っているシークエンスがあるのだが、そこで黒人女性がポトリとカップラを落とすシーンがある。それがそのコストコカップヌードルである。


(映画「マトリックス・リローデッド」より引用。この左側に落ちているのがそのカップラ)


(拡大するとこう。けっこうスパイシーだった覚えがある)。

 このカップヌードルは、コーンスープの素を入れてつくると、トロミがついてとても美味かった。カロリーもすごかったわけだが。

 今、スーパーのカップラ売場に行くと、日清のカップヌードルは決して安くはない。半額以下で、量も多い他社製品が買えてしまう。ので、吝嗇家のわたしとしては、ここ数年「カップヌードル」から縁遠くなってしまった。

 それでもたまに、チリトマ、カレー、それにプレーンの「カップヌードル」が食べたくなる。
 わたしのソウルフードのひとつは、間違いなく、日清のカップヌードルなのである。
posted by 結城恭介 at 08:00| 昭和の遺伝子