2024年07月13日

【書評】「ちょっとだけ抜けちゃう柊さん」

 うらのりつ「ちょっとだけ抜けちゃう柊さん」(全6巻)



 毎度のことながら、マンガ家さんを応援するなら、今出たばかりの新刊をご紹介するのが良いのはわかっているし、うらの先生が上梓されたばかりの新作「彼女たちは穴をうめたい」も抜群におもしろいのだが――



 その新刊でうらの先生のファンになり、こうなったら過去作もオトナ買いを――と思って、本作「ちょっとだけ抜けちゃう柊さん」を読み――



 いやあもう、主人公と同じく一目惚れ、柊さんのとりこになっちゃったのだな。

 あらすじ――高校一年の春。小鳥くんは隣の席の柊さんに一目惚れしてしまった。
 そして八ヶ月が経った冬。二人の中は――なんにもかわっていなかった。しかしその12月、小鳥くんは柊さんがパジャマの上にコートを着て登校していたことに気づいてしまう。そう、柊さんは天然、「ちょっとだけ抜けてる」のであった。
 そんなこんなで柊さんと話ができるようになり、ちょっとずつ、ちょっとずつ彼女との距離を縮めていく小鳥。二人の想いはすれ違ったり、柊さんの天然ぶりが「ちょっとだけ」度を越していたりして、じれったい中にも、二人の恋は進展していく。



 なんといっても、うらの先生の描かれる柊さんがなんとも可愛い! もう何分でも同じコマを眺めていられるくらい超わたしの好みなのである。





 そんな可愛い柊さんに翻弄される小鳥くんもまたジェントリー。鈍い柊さんとつきあっていくうちに、自然、タラシの技まで修得してしまったのには笑ってしまった。



 お話は小鳥くんと柊さんを中心とした群像劇にも少しなって、友人同士のせつない話もあったりするが、基本的には小鳥くんと柊さんのベタ甘なストーリーである。





 久々に浮き世のつらさを忘れて、このマンガ、お話、柊さんと小鳥くんに夢中になってしまった。

 すてきなマンガに出会うと「あぁ、終わってほしくないな」「ずっと読んでいたいな」と思うことがたまにある。
 もちろん、小説家の看板を背負ったひとりのストーリーテラーとしては、きちんと起承転結がついていて一本の太い幹に貫かれた創話となっているのが一番だとは思っているのだが、それを越えた世界観の中に入り込んでしまうと、気持ちがもう、浸ってしまうのだな。

 本作がそれであった。6巻という長さはちょうどよいし、全体を通して起承転結もあるのだが、あぁ、もっともっと二人のイチャイチャを見ていたかった!



 もう胸焼けしちゃうくらいの甘々なラブコメをお求めの方、ぜひ本シリーズをお読みくださいな。
 年間、数え切れないほどのラブコメを読み続けている結城(アラカン)が強くお勧めしますぞ!

 ところで、うらの先生の最新作「彼女たちは穴をうめたい」に少しふれておくと、こちらは三人の美少女にアンブレイカブル≠ネ可愛い少年が翻弄されるラブコメSFである。





 絵的にも超絶美少女だった柊さん(贔屓目あり)に比して、こちらはヒロイン一人一人に特徴があり、うらの先生の引き出しの多さに驚かされる。
 こちらも先が楽しみな作品なので、ぜひともご一緒にワクワクしていこうではありませんか!
posted by 結城恭介 at 08:00| 書評・映画評