2019年01月19日

【日記】1.4秒の攻防・その3

 いよいよこのシリーズ――

「あけましておめでギャー・その1」
「あけましておめでギャー・その2」
「あけましておめでギャー・その3」
「1.4秒の攻防・その1」
「1.4秒の攻防・その2」

 も、最後の記事である。いやー、引き延ばした引き延ばしたw

 保険会社「結城さんがお止まりになられたとき、こちら側のクルマのバックライトがすでに点灯しているのですよね」
 わたし「はぁ(そこまで気がつかなかった。さすがに見るところは見ているのだなぁ)」
 保険会社「そこで、その分――」
 わたし「(キタキタキタキターッ)」
 保険会社「修理中の代車代は出せない、ということでいかがでしょうか」


 そうきたかーっ!
 これは正直、予想の範囲内でもあり、範囲外でもあった。
 というのは、相手保険会社が代車を出し渋っているという情報を、こちらのディーラーの工場長さんから電話をいただいて、知ってはいたのである。
 ディーラーの工場長さんは良い人で、相手の保険会社からディーラーに確認の電話がきたとき「もし0対10なら修理中の代車を出しますよ」と伝えたら、保険会社が妙に抵抗し(普通は0対10なら代車が出る。というか、0対10でないと代車は出ない)、「0対10でも代車は認められないかもしれない」などとはぐらかされて、心配してわたしに電話をくださっていたのであった。
 そのときは、相手の保険会社はかなりシブチンだな、としか思わず、工場長さんの心配に感謝しつつ、過失相殺の方で削られる覚悟を決めていた。だからこそ想定対応集≠ネどもつくっていたのである。

 修理中の代車が出ない、というのは、それはちょっとは痛いが、うちにはもう一台、コンパクトカーがあり、それをやりくりすればなんとかなる。幸い、編プロの年末の仕事は終わり、年始早々、仕事で大量の荷物を積む予定はない。
 ディーラーに修理の期間が最低限で済む日を設定して集中して修理してもらえば、代車がなくともなんとかなる。
 わたしの頭はめまぐるしく回り、損得勘定を素早く行い、相手保険会社の申し出は「悪くない」と判断していた。
 それは、これが最初の提示であるから、粘ったりゴネたりすれば、相手が0対10を認めたのだから、代車代を出させることも可能かもしれない。しかし、それをやってこじれてしまったら、今度は余計に時間がかかる。その間、クルマのドアはへこんだままだ。
 ここは、もう一台、コンパクトカーがあるという状況を神に感謝して、条件を飲んでもいいのでは。

 横にいる細君に目配せをして、了解を得たが、取りあえずその場では即答せず、明日まで考えさせてくれ、ということで、この電話は切った。

 翌日の朝いちで相手保険会社に電話。その条件、つまり「過失割合0対10。ただし代車代は出ない」ということで了解します、と伝え、保険会社との交渉は終了した。
 当方が契約している保険会社にも連絡し、過失割合ゼロなのだから、今回はまったく関与なし、ということで一件落着。

 その日にディーラーへ行き、修理の日程が一番短くなる期日を設定していただいて、修理は年が明けて(つまり今年2019年)の一月の第二週、と決めた。日曜夜に入庫して、土曜日夕方には修理が済んでできあがってくるという。
 クルマがへこんだまま、平成最後の年越しをしてしまうことになるが、もうそれは仕方ない。

 帰りがけに、事故現場のコンビニに寄り、オーナーさんに顛末をお話しして、USBメモリを返していただいた。事故の動画は、やはりコンプライアンス上、コピーはできない、とのことだった。けっこう厳しいものだ。

 そして先週末、わたしの愛車は修理も済み、以前と同じツルッツルのきれいなドアになって返ってきた。これは板金加工で直したのだろうか。それともドアそのものを取り換えた? なんにしろ、前とまったくかわらない。ディーラーの技術は大したものだ。

 わたしは代車が不要だったから、保険会社の出してきた条件を飲むことができたが、これが、通勤や仕事で毎日クルマを使っている人だと、そういうわけにはいかないだろう。

 わたしもそういう立場だったら、クルマの扉はへこませたまま、もっと粘ったかもしれない。
 だいたい、過失割合0対10なのに代車代が出ない、というのは、本来、理不尽なのである。出て当然ではあるのだ。

 あくまで感触だが、粘って粘って、弁護士特約なども使って、調停までやれば、代車代半額くらいまでは出させることはできたかもしれないな、と思う。
 代車と言っても、ディーラーが出すそれは、要するに系列会社のレンタカーである(そのあたりが、街の修理工場の「余ってるクルマがあるから自由に乗ってっていいよ」とは違うのだなぁ)。このレンタカー代が莫迦にならないほど高いのだろう。おそらく、過失割合を1対9と主張するより、0対10にして「でも代車代はなしね」と取引の材料にする程度には。

 こちらは、自分が契約している保険会社を使わずに済んだので、結果として等級落ちは避けられた。その分が、出させることができなかった代車代分だと思っている。

 今回の事故で得た教訓で、今まで書いていなかったことを記そう。

 教訓その4:ドラレコは大事。現代の道路をクルマで走るなら、もう必須といってもいい。


 今回、ドラレコ動画がなかったら、「止まった」「止まっていない」という水掛け論で、過失割合ゼロは取れなかったかもしれない。一発で「止まっていた」ことを示せたドラレコは、動かぬ、いや、動く証拠である。
 わたしのドラレコもだいぶ調子が悪いことは以前書いた。今回のこの教訓をもとに、そろそろ、新型へリプレースを考えている。

 教訓その5:自分が思っているより、事故の状況は客観的に把握できていないものだ。


 今回、わたしも細君も、止まっている時間は5秒くらいあると思いこんでいたが、実際には1.4秒であった。事故の瞬間は時間が伸長するので、記憶は変質する。自分の記憶もあてにならないのである。それを客観的に見直すためにも、ドラレコは必須アイテムだ。

 教訓その6:代車代は保険会社にとってかなり高負荷な補償らしい。


 逆に言えば、わたしのように使えるクルマが二台あって、代車が不要という方は「代車は不要だから過失割合をゼロにしろ」という交渉の仕方もあるのかもしれない。もちろん、ケース・バイ・ケースだが。

 そんなこんなで、ドアがへこんだクルマでの年越しになってしまったが、こうやってブログのネタにもなってくれたし、いろいろ経験にもなったのでよしとする。

 クルマに乗っている以上、誰しもがいつ加害者、被害者になってもおかしくない。
 同じようなケースの事故に遭った方の参考に少しでもなっていれば幸いである。
posted by 結城恭介 at 08:00| 日記

2019年01月16日

【日記】1.4秒の攻防・その2

 相手保険会社「0対10でどうですか?」
 わたし「えっ!?」


 思ってもみなかった受話器の向こうからの台詞に、わたしは一瞬、返す言葉を失っていた。

「あけましておめでギャー・その1」
「あけましておめでギャー・その2」
「あけましておめでギャー・その3」
「1.4秒の攻防・その1」

 と続いてきた、昨年末に遭った事故の記録の記事も、いよいよ佳境である。

 ドラレコの動画を相手の保険会社(が契約している事故調査会社)に送ってから、一日半が経っていた。保険会社から電話がきたのは夕刻である。
 話を一分ほど巻き戻そう。

 保険会社「このたびは迅速にドラレコの動画をお送りいただいてありがとうございました」
 わたし「いえいえ(そっちがのんびりしてるだけだって。こっちは年の瀬だから早く解決して修理したいんだよ)」
 保険会社「実は、動画そのものはまだ見ていないのですが――」
 わたし「!?(見ろよ!)」
 保険会社「事故調査会社から、分解写真が届きまして――」


 この言葉には正直、驚いた。保険会社は動画そのものは見ておらず、事故調査会社から送られた分解写真のみを手にしているという。
 たまたま、この損保会社だけが、こんなに時代遅れでのんびりした対応をするところなのかもしれないが、ドラレコ動画が普通になっている昨今、損保会社に動画を届けるのがこんなに面倒なのかと、正直、びっくりしてしまった。
 わたしはわたしで、前回作った対応問答集を右手に、受話器を握りしめ、次の相手の言葉を待った。はたして、1.4秒しか止まっていないことに、どんなイチャモンがつけられてくるか――。

 保険会社「それ(分解写真)を見まして、結城さんが事故の直前に二秒ほど止まられていることがわかりました」
 わたし「はい(おっ、0.6秒オマケしてくれたのか)」
 保険会社「状況は把握しましたので、こちらの契約者にも了解をいただきまして、過失割合ですが、ここは0対10でどうですか?」
 わたし「えっ!?」


 と、冒頭のシーンになるわけだ。
 正直、わたしの頭は混乱していた。もう、1対9とか、2対8とかを言ってくると思いこんでいたのである。
 また、いろいろ検索しているうちに、過失割合は必ずしも合計10にならなくてもいいというケースがあり、0対9という状況もあると知った。その場合、足りない1分はこちらが実費で持つわけである。
 最初、その0対9のケースを言ってきたのかと思い、わたしは瞬間、混乱してしまったのであった。

 わたし「0対10ですか? こちらの過失割合はゼロで、相手に全責任があると。もちろん、異論はありません」
 保険会社「ええ。そういうことです。ただですね――」


 ほぅら、きたきたきた。素直にことが運ぶわけがない。なにかアヤがつけられると思っていたのだ。
 はたして、相手保険会社がつけてきたイチャモンの内容とは? そしてわたしの応酬は? 次回こそ、このシリーズの最終回である。
posted by 結城恭介 at 08:00| 日記

2019年01月12日

【日記】1.4秒の攻防・その1

 さて――

「あけましておめでギャー・その1」
「あけましておめでギャー・その2」
「あけましておめでギャー・その3」

 と続けてきた、昨年末に遭った交通事故の記録である。さすがに1月12日にもなって「あけまして――」はないと思うので、タイトルを変更した。
 しかし、20年くらい前までは、1月15日の成人式(固定)までは、なんとなく正月気分ではあったものだが、21世紀は時の流れも速くなった。

 話は、加害者が加入している保険会社が契約しているという、事故調査専門会社から電話がきたところから。

 相手「ドライブレコーダーの動画があるということで、後日、弊社の担当者を向かわせますので」
 わたし「その方に、動画のファイルをUSBメモリか何かに入れてお渡しすればよろしいわけですね」
 相手「いえ――。USBメモリをお預かりすると、お返ししなくてはいけなくなってしまいますので、そういうわけには。弊社の担当者のPCで再生してみて、そこでコピーさせていただいて、動画をいただく、ということになります」
 わたし「(面倒くさいなぁ。USBメモリの一個くらいくれてやるのに)はぁ……」
 相手「今日中に、というわけにはいきませんので、そうですね――○日か×日、結城さんのご都合のよろしい日はありませんか?」


 ○日も×日も、数日後である。この時の流れが速い時代に、なんというのんびりした話だろうか。

 わたし「では○日で――」
 相手「……少々お待ちください。ええと、結城さんの方でアップロードが可能でしたら、こちらから弊社のアップローダのアドレスをメールしますので、そちらにアップしていただくこともできますが」
 わたし「(できるんかーい)できますよ。もちろん」
 相手「では、テストメールをお送りさせていただきますので、メールアドレスをお教えくださいますか?」
 わたし「わかりました。ケイ、ワイ、オー――」


 こうしてメールアドレスを教えた後、電話は切れた。

 しばらく待っていると、メールが届いた

 お世話になります。
 ○○社の××です。
 テストメールをお送りさせていただきます。
 返信をよろしくお願いいたします。


 間髪を入れず、一分以内に返信を送信してやる。

 ○○社 ××様
 お世話になります。
 メール受信良好です。
 とりいそぎ、お返事まで。


 15分後に、その会社のアップローダのアドレス(もちろんパスワードつき)を記述したメールが届いたので、即アップ。そしてその旨を送信。

 ○○社 ××様
 お世話になります。
 ファイルを正常にアップロードしました。
 ファイル名は

 xxxxxxxxxx_JIKO01.mp4

 となります。
 よろしくご査収ください。
 それでは、用件のみですが、とりいそぎ。


 また15分後に返信あり。

 お世話になります。
 動画アップロード確認しました。
 迅速な対応に感謝いたします。
 遅滞なく保険会社にお届けします。


 取りあえず、このネット時代のファイル送受に、のこのこ担当者がノートPC持参でやってくるような、莫迦莫迦しいまねは避けられたようである。

 さて、問題は相手の保険会社がこの動画を見たとき、どんなことを言ってくるか、である。「あけましておめでギャー・その3」でも書いたように、こちらの停止は1.4秒の直前停止≠ナあることが焦点となるだろう。
 気分的には、加害車の怪しい動きを察知して止まったのだから、「0対10」でないと納得できない。しかし、相手は「1.4秒の直前停止=vであることをネチネチと言ってきて、「1対9」、「2対8」を言ってくるのではないか?

 そこで、対応問答集を作成することにした。

 保険会社「止まっている時間が短い」
 こちら「今、止まっているとおっしゃいましたね。すると、こちらのクルマが静止していたということはお認めになるわけですね。事故のとき静止していたのですから、こちらの過失割合はゼロを主張します」

 保険会社「ほんのわずかの時間である」
 こちら「いいですか? 加害者のクルマが時速何キロ出していたのかは知りませんが、クルマは時速5キロで、一秒で約1.4メートル進むんですよ。加害者とわたしのクルマの間が2メートル開いていたら、ほんのわずかの時間で衝突するのは当然です。そして2メートルという距離は、歩道で安全をとる距離、ドライバーが安全確認をする距離としては十分だと考えます。今回の事故は、加害者が完全に安全確認を怠ったことが100パーセントの原因です。こちらは静止するのが精いっぱいでした」

 保険会社「ほんのわずかの時間である」
 こちら「こちらでストップウオッチで計測したところ、どんなに短くとっても、こちらのクルマは一秒以上、静止していました。加害者のクルマの不審な動きを認知して、減速から完全停止するまでの時間はもっと長く、加害者が安全確認をしていれば、こちらのクルマに気がつくのは当然のことです。クルマは時速5キロで一秒で約1.4メートル進むんですよ。先ほども申し上げましたが、2メートルという距離は安全距離として十分です。今回の事故は、加害者が完全に安全確認を怠ったことが100パーセントの原因です。こちらは静止するのが精いっぱいでした」

 保険会社「前回は5秒とおっしゃいましたが?」
 こちら「それほどこちらは、その短い時間を長く感じていたということです。逆に言えば、加害者のクルマが安全確認をして静止することは十分可能な時間があったということです。今回の事故は、加害者が完全に安全確認を怠ったことが100パーセントの原因です。こちらは、そちらが言ういわゆる短い時間とはいえ、静止するのが精いっぱいでした」

 保険会社「回避できた」
 こちら「わたしのクルマは公道と歩道の間にいたんです。公道にこのままクルマの後部を出しているわけにはいかないので前方に進みました。そこで加害者のクルマが不可解な動きをしていたのでクルマを止めたのです。前方に進めば動きながら衝突、後方へは安全確認なしでバックで公道へ出るという危険な行為を犯さなければならず、わたしは静止する以外手はありませんでした。実際にドライブレコーダーを最後まで見れば、後方から新しく入ってくるクルマがあったことがわかります。わたしがバックしていたら、そのクルマにぶつけていたかもしれません。わたしはクルマを止める以外ありませんでした。事故のとき静止していたのですから、こちらの過失割合はゼロを主張します」

 こちらの反撃「ここは歩道です。わたしがクルマだから良かったものの、もし人間だったら、加害者の安全確認なしでバックするという危険な行為で、人が死んでいたかもしれないのですよ。それでも被害者に過失があったとそちらは言うのですか?」

 保険会社「あなたはクルマでしょう?」
 こちら「しかし、事故のとき静止していたのはドライブレコーダーの動画が証明しています。いわば止まっている人間と同じです。止まっている人間をバックで轢いても、そちらは被害者に過失があったと言うのですか? 今回の事故は、加害者に100パーセント、安全確認を怠るという過失があったと考えます。こちらは、事故のとき静止していたのですから、過失割合はゼロを主張します。それ以外で示談は決していたしません」


 われながら「面倒くさい被害者だなぁ」と苦笑せずにはいられないが、とにかく、過失割合「0対10」は譲れない。この線だけは死守する。もしそこを踏み越えてくるのなら、弁護士特約で調停だ。と、細君とも腹は決まっていた。

 そして、翌日の夜、相手の保険会社からの電話のベルが鳴る。
 対決は次回に!
posted by 結城恭介 at 08:00| 日記

2019年01月09日

【日記】あけましておめでギャー・その3

 もう松も取れたというのに、このネタで引っ張る引っ張るw 「あけましておめでギャー・その2」の続きである。

 さて、ドラレコのメモリに事故の様子は確かに記録されていた。

 00:00 快調に左車線を走るわたしのクルマ。右車線前に加害者のクルマ。
 00:04 加害者のクルマ、左車線に車線変更完了。
 00:11 加害者のクルマ、道路左のコンビニ駐車場に入る。
 00:16 わたしも続いて、その駐車場へ。駐車場内にほかのクルマはなく、加害者のクルマは大きく右に右折。わたしは「このクルマ、動きが変だな」と警戒し、徐行。
 00:18 相手のクルマがドラレコの死角へ。ドラレコ映像は大きくコンビニの全景を写している。
 00:20 わたしの悲鳴「ああっ」
 00:21 わたしのクルマ停止。
 00:22 わたしの悲鳴「ああーっ」
 00:23 わたしの悲鳴「ギャー」。同時にドラレコ映像が左に傾く。
 00:24 傾いた映像がもとに戻る。
 00:27 「あーあ……」と、細君のため息。
 00:33 加害者のクルマが再びドラレコ映像の中に。右の駐車場にバックで入れる。
 00:37 わたし「でもこっち止まってたよ」。細君「止まってた」
 00:51 加害者のドライバーがクルマから降りてくる。
 00:58 窓を開けてわたし「警察呼んだほうが」。
 01:01 自車に戻る加害者。


 これが事故時のドラレコの全映像である。動画で載せれば簡単だが、特定される可能性があるのと、相手がいることなのでそれはしない。

 要するに、加害者のクルマは駐車場へ入って大きく右折し、バックして駐車スペースへ入ろうと考えていたのだ。
 そこへわたしのクルマが続いて入っていったのだが、相手は安全確認を怠ったか、わたしのクルマが死角に入ったかでブレーキを踏むことなくバックしてきて、そのまま自車の右後部を、止まったわたしのクルマの右前方にぶつけた、と、こういう状況である。

 このドラレコ映像をPCで見て、わたしも細君も、期待を裏切られたような気がしていた。「その1」で、実はこう書いてある。

こちらとしては、静止して5秒程度は止まっていたので、完全に「0対10」だと思っていた


 ところが、実際に止まっていたのは、長く見積もっても2秒。ストップウオッチで何度か測って平均を取ってみても1.4秒程度なのである。
 ドラレコには写っていないが、その1.4秒の間に、相手のクルマはどんどんこっちにバックしてきて、ぶつかったのであった。
 事故の瞬間だったので、わたしも細君も頭がフル回転し、1.4秒が頭の中で5秒に伸長されていたのである。

 それと、コンビニに入っていったときから相手のクルマの挙動をおかしく感じていたので、徐行している数秒も「警戒していた時間」として、わたしの細君の間に蓄積され、「5秒静止していた」という数字に変化したのかもしれない。

 なんにしろ、相手の保険会社の担当にも「5秒は止まっていた」と言ってしまった後だった。大目に見積もって静止時間を2秒としても、「3秒負けろ」は通用しないだろう。
 それでも、「こちらは止まっていたのだから悪くない。0対10だ」と強弁することはできる。実際、1.4秒は静止していたわけだから。

 検索してみると、交通事故の考えの中には「完全停止」と「直前停止」という違いがあり、この両者の差に明確な定義はないらしい。もちろん「完全停止」なら0対10となる。
 しかし「危険を回避するための停止は直前停止=vとなるとのこと。この場合0対10を取ることは難しいという。

 わたしの場合、相手の挙動がおかしいと認知し、危険を回避するために停止したので、上の定義から言うと、たとえ止まっていても、あくまで「直前停止」である。「直前停止」は動いていたのと同等とみなす、と書いてあるページもある。つまり、わたしの方にも過失割合が発生するかもしれないのだ。

 心情的には、1.4秒でも止まっていたのだから0対10を主張したいところだが、こういう情報があるということは、相手の保険会社が1対9、あるいは2対8を言ってきてもおかしくない。

 教訓その2:交通事故の考え方には「完全停止」と「直前停止」があり、危険を察知して止まっても「完全停止」にはならず、過失割合ゼロにならないことも多い。


 わたし「とまあこういうことらしくて、0対10が取れないかもしれないんだ」
 細君「そのときは調停しましょう、調停。弁護士特約も使って」
 わたし「うむ。異論はないな。久々にやるか、調停」

 それにしても、である。わたしのドラレコは非常に古いタイプであるので、画角も狭く前方しか写していない。そのような状況で横から突っ込まれたわけだから、本当の事故の「瞬間」は、映像としては「画像が斜めに傾く」ということでしかわからないわけだ。
 しかし、ここで状況証拠として大事だったのが「声」だった。記録でいうと――

 00:20 わたしの悲鳴「ああっ」
 00:22 わたしの悲鳴「ああーっ」
 00:23 わたしの悲鳴「ギャー」。同時にドラレコ映像が左に傾く。
 00:27 「あーあ……」と、細君のため息。


 の部分。これがあったおかげで、「相手のクルマが寄ってきた」、「ブレーキを踏んでいない」、「ぶつかった!」、「終わった……」。

 ということが記録できたわけである。

 教訓その3:「声」を出すことも大事。ドライブレコーダーの死角をカバーして、状況証拠として残すことができる。


 これが「あけましておめでギャー」「今年もよろしくお願いいたしまあーあ……」のネタである。やっと伏線回収できたw

 さて、翌日、取りあえず自分の保険会社に電話して、相手の保険会社より先にドラレコの映像を見てくれないか? とお願いしてみる。なにか反論する算段のヒントをくれるのでは、と思ったのだ。
 が、こちらの保険会社はつれなく、まず相手の保険会社に見せてから、こちらに過失割合が生じると主張してきたら見ましょう、とのこと。
「0対10だと、こちら(わたしの保険会社)は当事者になれませんから」
 まあそうなんだよな……。車両保険を使って直すのなら当事者になるが、わたしとしては、こちらの保険は一切使わず、この事故を解決したい、というのが希望なのである。等級ダウンは避けたいのだ。

 仕方なく、相手の保険会社に電話する。ドラレコ映像が残っていた、と伝えると、心なしか、担当者の反応がガッカリした≠謔、な感じもあった。

 わたし「それで、この動画、たかだか34メガのファイルですし、メール添付か、ウチのサーバに置きますので、すぐにご覧いただきたいのですが」
 担当者「いや、それはセキュリティがあって見られないと思います」

 なんと。そういえば昨日、この担当者は「Googleマップで事故の場所を見ていますが」と言っていたことを思い出した。メールはともかく、Webは見られるのにサーバにおいてもダメとは、なんとも融通の利かない話だ、と、ちょっと心の中で悪態。

 担当者「お時間がかかりますが、弊社と契約している事故対応会社が、結城さまのお宅に直接おうかがいして、そこでお受け取りするというかたちにしてください。後ほど、事故対応会社から直接電話をさせますので、日時を決めていただいて」
 わたし「……(のんびりしてんなぁ)わかりました」

 いまどき、ドラレコ映像を事故時の証拠にしているケースは少なくないと思われる。どこの社もこんな面倒くさい手順を踏んでいるのだろうか。オンラインで送受できれば、数分で完了できることだというのに。

 仕方ないので、その「事故対応会社」からの連絡を待つ。
 と、午後いちに電話がきた。まあそこそこ迅速だ。

 またも次回へ引きのばーす!
posted by 結城恭介 at 08:00| 日記

2019年01月05日

【日記】あけましておめでギャー・その2

 去年の師走に遭った事故の記事、「あけましておめでギャー・その1」の続きである。

 さて、細君と合流後、事故現場だったコンビニ駐車場にクルマを止め、店内に入ってオーナーさんに取り次いでもらう。
 オーナーさんは優しい方で、こちらの立場に同情してくださったが、同時にコンプライアンスを守る姿勢も立派で「警官立ち会いなら、監視カメラの映像を見せてあげられるので、近くの交番でおまわりさんを連れてきたら?」とおっしゃってくれた。

 なるほど。と、細君ときびすを返し、近くの交番へ。昨日はあわてていたので、交番ではなく110番してしまったが、考えてみれば、事故直後、この交番へくればよかったのだなぁ。

 中に入ると、若いおまわりさんがいたので、事情をお話しし、動画を見るのを立ち会ってほしい、とお願いする。若いおまわりさんは……困惑顔。
 と、中から年配の、押しの強そうなおまわりさんが出てきた。

 警官「ダメなんですよ。そういうの。民事介入になっちゃうからね」
 わたし「えっ!?」
 警官「当て逃げとかとかなら、もちろん刑事事件だから警察が動くけれど、その事故は公道でない駐車場で起きてて、けが人も出てなくて、双方の話し合いをしているところなんでしょう? だとしたら民事だから、ね。警察は民事不介入だから」
 わたし「そうなんですか……」

 うーん。ニュースなどで、「これは事故現場近くのコンビニで監視カメラが写していた映像です」などというような動画が流れていることを、読者の皆さまもご存じだろう。だから、警官もすぐ立ち会ってくれるだろうと思っていた。なにしろ、こちらの保険会社の担当者も「コンビニの監視カメラをあたってみたら」と言っていたのである。なので、そういうことは「できること」だと思っていたのだ。しかし、その読みは甘かったようだ。
 不思議なのは、ああいう動画を、マスコミはどうやって入手しているのだろうということ。すべてが刑事事件で、警察が動画を提供してくれているわけではあるまい……。

 教訓その1:保険会社の担当が「どこそこの監視カメラをあたってみたら」と言っても、その監視カメラの管理者が見せてくれるとは限らない。保険会社の担当者もわりと無責任な発言をする。


 コンビニに戻って、オーナーさんに報告すると、「そりゃおかしいよ。市民が困っているのだから、ついてきてくれてもいいじゃない」とまで言ってくれるが、やはり警官が立ち会わない以上、見せてくれることはできないのであった。
「わりとこういうことは多くてね。ゆうべも警察の人が来て、監視カメラの録画を見ていったりしたんだよ。なのにねぇ」と首をひねってくださる。

 前記事でも書いたが、わたしは過失割合「0対10」を主張しようと思っている。そしてこの場合、わたしが加入している保険会社は動けないのである。そういうときのためにあるのが弁護士特約だ。なので、いざとなったら、それを使っても、とは思っていた。

 わたし「弁護士を通してもダメですかね」
 オーナーさん「弁護士さんの方が法律を知っているからね。そういうことは違法だって言われちゃうんじゃないかなぁ」
 そりゃそうだよな……。

 わたし「つかぬことをおうかがいしますが、今の監視カメラって、ビデオテープですか?」
 オーナーさん「いや違うよ。メモリだね」
 わたし「どのくらいで過去動画は消去されていくのでしょう?」
 オーナーさん「二週間だね」
 わたし「じゃあ一応、昨日の朝の動画を保存しておいてくださいませんでしょうか。この後、弁護士を雇って、調停や裁判することも考えてはいるので――」

 と、持参しておいた大容量USBメモリをお渡しする。確約はできないよ、とオーナーさんはおっしゃったが、それでも快く受け取ってくださった。

 交通事故での調停は、やはり以前、過失割合「0対10」の事故で経験がある。このときは弁護士特約をつけていなかったので、自分と細君の二人で相手側の弁護士と闘い、辛勝を収めた。なのでわたしは、交通事故での調停、裁判はいとわない。しかし面倒で、解決まで長くかかることも確かだ。

 こうなると頼りになるのは、調子の悪いドライブレコーダーの動画である。たった一枚のSDメモカに、ちゃんと事故の瞬間は映っているだろうか。
 帰宅して、夕食の支度もそこそこ、PCにSDメモカを挿し、ディレクトリを取ってみる。昨日の朝のタイムスタンプがついたファイルがありますように、と祈りながら、ウィンドウをスクロールしていくと――あった! 昨日の朝の該当ファイルが残っていた。
 取りあえず、SDメモカからの直接再生は怖いので、メモカから該当ファイルをローカルにコピー。そして専用のソフトで再生してみると、ドラレコの調子が悪いだけあって、絵や時間が瞬間、飛んだりしている。
 しかし、事故の起こったその瞬間だけは、ちゃんと記録されていた!!

 ところがここで、思っても見ない事態がくぁwせdrftgyふじこlp

 次回に続く!
posted by 結城恭介 at 08:00| 日記