2023年08月26日

【書評】「7人の眠り姫」

 Fiok Lee「7人の眠り姫」(1巻:以下続刊)



「Q、恋ってなんですか?」でファンになったFiok Lee先生の最新シリーズ最新刊。
「Q」の時も感じていたのだが、Fiok Lee先生は女性の描写にもっと深さがあるのではと思っていた。「Q」のときはヒロインはひとり(といち生命体。説明が難しいのでぜひ作品をお読みいただきたい)だったのだが、この女性がたれ目で可愛らしかったのである。
 もっと先生の描く女性を見てみたいなぁと思っていたら――本作ではいきなり7人である!(笑)。
 わたしは単行本派なので、これは早く楽しみたいなぁと思いつつ横目で連載を見守り、8月23日に1巻が発売されたタイミングで本書を購入。こうして記事にしてご紹介しているのだから、面白くなかったわけがない。

 あらすじ――ルドベキア王国の第三王子アレクは、昔々、魔女の呪いによってすべての人間が眠りについてしまった西の小国「アマリリス」を征服するという命を王より帯びて、彼の地へ向かった。しかしアレクの内心は「征服する」のではなく、この小国を救いたい、という子供の頃からの夢を果たしたいというものだった。
「アマリリス」の城は伝説の書≠フ通りいばらに覆われており、ドラゴンがうろついている。
 アレクは必死の思いでドラゴンを倒し、城内へ進入することに成功。しかしこの先が一番の謎なのである。伝説の書≠ノよると――



 そして、寝室で眠っていたのは――



 7人のお姫様だったのである!

 まあここまではタイトルから予想できるので、ネタバレの範疇には入らないだろう。
 わたしは電書で買ったのでわからないのだが、冊子体の腰巻きには「五等分の花嫁の春場ねぎ先生絶賛」とあるらしい。「五等分の花嫁」もとても面白かったが、あちらは五つ子という設定。ヘアスタイルや身につけるもので差別化を計りつつ五つ子だから似ていてもしかたないよな≠ニいう逃げもできたが、「7人の眠り姫」は7つ子ではないのでw そのぶん、各人に確実な特徴をつけなければいけないというハンデもありそうである。

 そしてそれは成功しているように思う。まだ話は始まったばかりだが、7人のお姫様はそれぞれ容姿も性格も違いがあり、また、十二分に魅力的だ。

 そしてこのお話、ファンタジーの枠を借りた、実はラブコメなのである。とにかく、7人の姫を眠りから醒ますことに成功したアレクの今のミッションは、起こし方がキスだったので「7人の姫と仲直りすること」なのだから。

 わたしはチョロいので、アレクが最初にキスして、なんだかんだと協力してくれるようになった第三王女クレアが今のところタイプだが、どの姫もそれぞれが可愛らしく、また、アレクとの距離感も違い、これから先どうなっていくのかが楽しみだ。

「五等分の花嫁」と違って、最後にアレクが誰かとくっつくという保証は(今のところ)なにもないのだが、きっとお話はハーレムエンドや誰ともくっつかない日常エンドではなく、一人に決めてくれていると信じている(わたしはみんな俺のもの≠フハーレムエンドや誰にも決められない%常エンドは好きじゃないのよ)。

 お話は、クレアと仲良くなり、現在、第六王女ユーカを攻略(攻略言うな)中である。先は長く、大きな謎も残っている。
 また、アレクは王の意図と違ってアマリリス国を征服するという気持ちはなく、王がもうけた一年というタイムリミット設定もあり、まだまだこれからの展開が楽しみだ。

 ちなみに「五等分の花嫁」では、わたしは5推し。そして結果にもまったく不満はない(ネタバレ防止のためゴニョる書き方をしているのだよ)。

 そうそう、1巻発売の特典として、声優、花澤香菜さんによるショートドラマが用意されている。巻末のQRコードからアクセスできるページに用意されている動画がそれだ。
 聞いてみたが、花澤さんおひとりが7人の姫そしてアレク王子を演じていて、それぞれ特徴があってお見事。楽しい仕上がりである。こういうお祭りはいいね。



 とりあえず、つかみはばっちりオッケーの第1巻である。まだまだ先はわからないが、順調な滑り出し。優しいアレク王子が王の意図であるアマリリス国の征服をどう回避するのかも楽しみだ。
 アレク王子のライバルが出てくるのも面白いかもしれないし、Fiok Lee先生は、姫たちの魅力ももっともっと引き出してくれるはず。

 ぜひとも誌面で、そしてネットで、「自分はクレア推し」「いや、ユーカの方が」と盛り上がってほしいものである。

 あれっ? 今、書いていてわかったのだが「アレク」王子と「クレア」姫って、逆さ読みではないか。このあたりも謎があったりして!?
「Q、恋ってなんですか」で名前の謎掛けをしたFiok Lee先生である。あなどれない、ぞ。
posted by 結城恭介 at 08:00| 書評・映画評

2023年08月23日

【書評】「俺のお嫁さん、変態かもしれない」

 原作:くろい/キャラクター原案:あゆま紗由/マンガ:神楽武志×両角潤香「俺のお嫁さん、変態かもしれない」(1〜2巻:以後続刊)



 タイトルの「変態」に引いてしまう人、あるいは過剰な期待を抱いてしまう方がいらっしゃるかもしれないが、本作は弩直球のラブコメである。しかもベタアマ。うん、いいねぇ、この甘さ!
 というわけで、2巻が8月22日に出たばかりのタイミングでご紹介。

 あらすじ――新藤裕樹と三田涼香は18歳の高校三年生。幼なじみで、お互い憎からず以上の感情を持っている関係だ。
 ある日、落ち込んでいる裕樹を励ますために涼香は裕樹と折半で宝くじを買ったのだが、なんとそれが大当たり!



 しかしお金のことにうとい涼香は、裕樹を驚かそうと、一人でこの宝くじを換金してしまっていたのだ。
 いくら折半で買った宝くじとはいえ、それを証明できなければ、涼香から裕樹へお金を渡そうとすると莫大な贈与税がかかる。
 そこで――おっと、二巻の最初で涼香ママがまとめてくれた。



 ということなのである。
 そして裕樹と涼香のベタアマ新婚生活が始まったのであった

 くぅ〜。可愛い幼なじみと高校生にして学生結婚。しかも資産10億円。なんとも裕樹、うらやましすぎるぞ! しかし裕樹もプロサッカー選手の夢を絶たれたりしていて、これまで順風満帆というわけでもなく、二人はお似合いの(バ)カップルなのである。
 すぐに手を出せばいいのに(ぉ 裕樹も紳士で、結婚が先になってしまったが、それまでにいたる道筋をこれから構築していこう、と涼香に言うような真面目な青年で、好感度高いのだ。

 こういう「強制結婚」ストーリーだと、わりと最初は「犬猿の仲」ということが多いのだが、このお話は二人がもう十分好きあっているので、イチャ甘ラブラブを存分に楽しめる。

 わたしが感心したのは、1巻冒頭のこのシーン。



 新居への引っ越しで、涼香が、今までトランクスを履いていた裕樹にボクサーパンツを半ば強制的に勧めるのだ。
 このシークエンス、タイトルの「変態」性の表れというより、象徴的な事象の表出なのである。

 以前、社会学の本で読んだのだが(書名、執筆者失念。失礼)、妻は夫の下着をコントロールしたがるのだそうだ。今までトランクスだったらボクサーパンツを。ボクサーパンツだったらブリーフを、ブリーフだったらトランクスを、といったように、これまでとは違う下着を着せたがるのだという。
 その理由は、男の下着は赤子の頃からずっと、まあたいてい母親の支配下にあるものなので、それを違う種類のものにすることで、男性の下半身を自分のものにする、という深層心理の現れなのだとか。
 逆に言えば、男がどんな種類の下着を着ていても、彼女はそこに彼ピッピの母親の影を見て変えさせたくなる、というわけだ。

 このあたりはくろい先生の原作でも冒頭部で同じやりとりがあり(ハイ、原作も買いました)、「くろい先生、やるな」とニヤリとさせられる。

 また、涼香が裕樹の「匂い」を嗅いで顔を赤らめながらコメントするシーン。



 これも面白い。女性というものは、近親相姦を避けるため、無意識に父親の匂いを嫌うという説があるのである。思春期の娘が父親に「クサイ!」と言ったり「一緒に下着を洗わないで!」と、トングで父親のパンツをつまみあげたりするのは、そういう観点もあるのである。

 でまあ、そんな小難しい話は置いといて――この二人のイチャイチャぶりが読んでいて微笑ましくまた羨ましくてw 読者としてはゴロゴロしてしまうのだな。

 今のところ、タイトルほど「俺のお嫁さん、変態かも」というところは出てこないのが残念なのだが、神楽、両角、両先生のあとがきで「3巻は劇的に上がる」「本領発揮」とのことなので大期待である。

 ところで本マンガは、原作がくろい先生で、神楽武志先生と両角潤香先生のお二人が絵を描いていらっしゃるとのこと。

 神楽先生のお名前は、MFコミックスアライブシリーズの「失われた未来を求めて」で、両角先生のお名前は電撃コミックスの「殺人クラブ リベンジ」で存じていたし、お二人はすでに連名で「クラウドヘブン」という作品を描いていらっしゃるのだが――



 本作ではそのタッグのパワーが十二分に発揮されているという感じだ。
 ヒロイン涼香はこれでもかと可愛らしく、主人公裕樹も恰好いい。

 この先、安心して読んでいけるラブコメとして、あなたの本棚にもお勧めだ。
posted by 結城恭介 at 08:00| 書評・映画評

2023年08月05日

【書評】姫ヶ崎櫻子は今日も不憫可愛い

 安田剛助「姫ヶ崎櫻子は今日も不憫可愛い」(1〜4巻:以下続刊)



 少し遅れてしまったが、7月27日に最新4巻が出たタイミングでのご紹介。最初からベタ誉めする。いいですよー、本作!

 ところで以前にも書いたことがあるが、わたしは「ときメモ」の変化球の楽しみ方として、チートを使いステータスをすべてMAXにあげ、すり寄ってくる正ヒロイン「詩織」を徹底的に無視し、嫌われて、投げ掛けられる台詞をゲラゲラ笑うという、悪趣味な「嫌われ者プレイ」を楽しんでいたことがあった。

 詩織は現金な女なので、プレイヤーが頭脳明晰、スポーツマンだと、すぐに色目を使ってくるのだ。デートに誘うとホイホイである。そしてわざとすっぽかして爆弾を爆発させてやる。それを繰り返して、詩織をイライラさせるw

 いやぁ、詩織の冷たい台詞はなかなかいい。学園祭の芝居の前、わざと楽屋に立ち寄ってやると「あなたがいるから落ち着けない!(怒)」とか、こちらがドーバー海峡を渡ったと噂が立ち、それを否定すると「ふぅん、やっぱり(冷)」とか、昔のプレイなのであまり覚えていないのが残念だが「嫌な人がいるからじゃないの?(嘲)」、「虫酸が走る(怒)」、「一緒にいたくない(怒)」、「この教室、空気が悪いわ(冷)」とか、言われ放題である。

 そのくせ、正ヒロインの役目は忘れていないので、定期的にこちらに恋心を募らせてくる。めんどくさい女なので放置すると、また爆弾爆発、冷たい台詞を投げつけてくる。Mにはたまらないご褒美である(あっ、俺はMじゃないよ)。

 しかし本作を読むと、詩織も自分の役目を果たそうとがんばっていただけで、実はひどいことをしていたんだなぁ、と思ったりもする。反省はしないけど。

 ストーリー――姫ヶ崎櫻子は容姿端麗、文武両道、巨乳金髪でツインテールに愛らしい八重歯。そして主人公君≠ナある三森夏樹の幼なじみ。なのに、「正ヒロイン」ではなく、「負けが確定」している不遇のヒロインである。


(ぽこ、ぽこがかわョ!)

 そして一話目。幼なじみの特権として、夏樹の部屋へ押しかけを無理やり起こし、遅刻寸前で一緒に登校してきたとき、二人は出会ってしまうのだ。そう、「正ヒロイン」の榊雪菜に――


 というわけで、本作はかなりメタ的である。櫻子自身が「負けヒロイン」、「当て馬」、「噛ませ犬」、「エロ要員」であることを自覚しており、それでも夏樹の心を自分に向けるために奮闘するという物語。
 そしてその奮闘ぶりがなんとも可愛い! 読んでいて可愛くてしかも不憫でニマニマしてしまう。

 一方、榊雪菜は黒髪ロングでやはり巨乳。学園でもすぐにマドンナの座を獲得。しかも寡黙でなにか陰を背負っている感じ。しかも、夏樹の遠縁で同居することになってしまうという、いかにも「ギャルゲ」、「エロゲ」の正ヒロイン属性。そんな彼女の登場にあせる櫻子がまた可愛く不憫。

 しかも脇役ヒロインの役目「ラッキースケベ」も背負っているものだから、自分を誉めてもらいたくて始めたネット配信でポロリしてしまい――


(かわョ!)

「藤稔姫」とニックネームがつけられてしまったり。
 いいことがあってもすぐに調子に乗って暴走し、それが逆目に出てしまうという、まさしく負けヒロイン属性。

 わたしはこういうメタ的ストーリーが好きな上に、櫻子が可愛くて可愛くて(大事なことなので二回言いました)、そして不憫で可愛くて(ダメ押し)、1〜4巻を即二回リピートしてしまった。

 しかも4巻目では、読者もびっくりのある出来事が起こったりして、話はメタ的ストーリーのその先にまで到達するから楽しい。

 作者の安田剛助先生のお名前は、クールビューティなヒロインが活躍する「じけんじゃけん」で存じていたが、ここ最近は「となりの信國さんは俺のことが好きな気がする」でめっちゃ可愛いヒロイン、本作では不憫可愛いヒロインを描き、とても「男心をつかむ」ヒロインの造作がうまい。
 それだけではなく「私と彼女のお泊まり映画(全3巻)」では百合っぽい、そして「草薙先生は試されている。(全3巻)」では正面から百合を描き、新時代の女性を描くのが実にうまいのだなぁ、と唸らされる。

 話を「姫ヶ崎櫻子は今日も不憫可愛い」に戻すと、登場人物が(というより櫻子が)メタ的設定を受け入れているため、「ギャルゲ」、「エロゲ」、「ハーレムマンガ」のパロディ的な展開も楽しい。
 たとえば、お約束の「子どもの頃、お互い持つことにした約束のペンダント=vである。



 この次のコマ、1ページを使った櫻子の大アップで、爆笑してしまった。
 その他、ヒロインがしてはいけない「変顔」のデフォルメ顔がわたしは大好きである。


(本作のヒロインである)


(本作のヒロインである)


(くどいようだが、本作のヒロインである)

 この表情豊かなところがまた可愛いので、変顔パレードになってしまったが、もちろん櫻子は美少女である。この物語「姫ヶ崎櫻子は今日も不憫可愛い」の「正ヒロイン」である!

 わたしと似たような感性を持っている方なら、絶対、本シリーズを気に入るはず。もう文句なしのお勧めマンガである。
 4巻最後には新しいヒロインの登場という、不穏な雲行きもあり、もう今から5巻が楽しみでならない。
posted by 結城恭介 at 08:00| 書評・映画評

2023年07月29日

【書評】「押して駄目なら押してみろ!」

 廣瀬アユム「押して駄目なら押してみろ!」(全8巻:完結)



 うちの細君は大のヘビ嫌いである。テレビにヘビが出てくるだけで悲鳴を上げて目をそむけるくらい。「蛇蝎のごとく嫌う」という言葉があるが、まさしくそれを体現していると言っていい。太古、ヘビにエヴァがだまされて以来、正当な女性性の後継者である。
 これは細君の生い立ちにおけるトラウマでもあって、田舎に住んでいた小さい頃、玄関の隅にヘビが巣を作り、それが卵を破って出てきたとき、義父が子ヘビを手に乗せて「ほれほれ、可愛いだろう」と、嫌がる細君に執拗に見せたことが原因となっているとのことだ。

 確かにヘビを「大好き」という人は少ないかもしれない。わたしも好きなほうではない。しかし、顔をじっとみてみるとけっこう愛嬌があって、「好きな人がいるのもわかるな」くらいのイヤさではある。
 まあ、一般的に爬虫類は嫌われるもので、「異世界でモフモフ云々」はひとつのジャンルとなっているようだが「異世界で爬虫類に囲まれて幸せです」ジャンルは成立しそうにないだろう。

 ところがこの「押して駄目なら押してみろ!」は、ヘビ大好きな美少女と、大蛇の化身の人間が繰り広げるラブコメなのである。ちょうど7月27日に、最終8巻が出たタイミングでご紹介。

 ストーリー――財部つくしは、学校では知らぬ者のいない「高嶺の花」の美少女女子高生。下駄箱をあければマンガのようにラブレターが崩れ落ちてくるほどだ。今まで受けた告白も数知れず。だが彼女が首を縦に振ることは一度もない。なんとなれば、彼女――



 子どもの頃に「首にヘビを巻く」というイベントで、ヘビに一目惚れして以来、彼女、ヘビぞっこんになってしまったのである。
 そんな、人間の男にまったく興味をもてなかったつくしだが、ある日、臨時教師として教室にやってきた加賀美肇に――



 なんと、ヘビに感じるドキドキと同じ感情を持ってしまったのである。
 自分でも不思議なこの感情。いてもたってもいられないつくし。確かめるために加賀美先生に迫ってしまい、ついには――



 しかし、なぜヘビ好きの彼女が加賀美先生に心ときめかせてしまったのかはすぐにわかった。



 加賀美は人喰い大蛇の化身だったのである。さすがのつくしもこれには――



 引くどころか、さらに恋慕を増してしまったのであった。しかも加賀美先生も、つくしに対し自制しながらも「美味しそうで」特別な感情を持ってしまうのである。
 一度、ヘビ化しかけた加賀美先生を人間に戻すには、つくしを「味わう」しかない。それは彼女を舐めるということ。
 こうして、いくぶん引き気味に、それでもつくしの「味」を必要とする加賀美先生に、つくしのラブラブアタックが始まるのであった。「押して駄目なら押してみろ!」と。
 この物語は、そんな二人を中心に繰り広げられる、異種動物間の一大ラブコメディ。


 なにより、ヒロインの財部つくしちゃんが、もう可愛い! わたしのタイプにぴったりなのである。清純派の黒髪ロングをハーフアップにして耳を出し、後ろにはリボン。周りにはクールに見えているが、その実、表情豊かで、加賀美先生にはころころ表情を変える。デフォルメ顔もまたかわョ!



 そして、首筋や腕などがヘビ化してウロコが出てしまう加賀美先生に、つくしちゃん、せまるせまる。
 もう準備室で、教室で、文化祭で、公園で、先生に舐められまくるのである。

 こう書くと、ちょっとエロティックな感じもあるし、一歩間違えば快楽天だが(笑)、不思議とそのようないやらしい雰囲気にはならない。ちゃんとジャンルは少女マンガだ。

 そんな二人の恋を見守ったりする人外の異種動物や、つくしちゃんに青春一途な告白突入する同級生もいたりと、物語は読者を飽きさせることなく続く。
 暗いバックグラウンドのある登場人物もいるが、あくまでお話は明るく、読んでいて、ドヨーンとなることはない。
 なによりやはりつくしちゃんである。「押して駄目なら押してみろ!」というタイトル通り、異種動物、そして教師と生徒という壁のある恋愛の壁を、持ち前の可愛さと行動力で乗り越えていく。







 加賀美先生も、そんなつくしちゃんに――



 恋慕の情を持ってしまうのであった。

 あまり細かいことを書いていくとネタバレになってしまうので、これ以上はあまり触れないが、教師と生徒間、年の差もありという条件、しかも異種動物というハードルなにするものぞ。最後は怒濤のハッピーエンドであることは書いてもいいだろう。

 通して全巻を読み終わったあと、ほわーっと暖かい気持ちになるのが良い。やっぱりラブコメはこうじゃないとね。

 廣瀬アユム先生、楽しいラブコメをありがとうございました!
 そしてこの記事を読んでいるあなたにも是非!

 ヘビ嫌いの細君にはどうかなー。強くお勧めしたいとは思っている。
 だって、だってさ……。つくしちゃん、細君の若い頃にどこか似ているんだよぉ!(またのろけと言われてしまうなw)
posted by 結城恭介 at 08:00| 書評・映画評

2023年07月26日

【書評】「メメメメメメメメメメンヘラぁ…」4巻

 栗井茶「メメメメメメメメメメンヘラぁ…」4巻(以下続刊)



 待望の4巻が発売!
 前回の書評が去年の7月9日だったから、一年待ったことになる。

 前三巻は本当に面白くて楽しくて何度も読み返したので、もう4巻が待ち遠しくてしかたなかった。
 今回、4巻が出るということで、1〜3巻を復習のため読み返し、しかも、メンヘラの気持ちをより理解するために、自らアムカの真似事までしてみたほどだ。



 お、山田ァ! やンのか、じゃあ証拠を見せてやる。


(左腕)


(右腕)

 ね、マジですから。

 ストーリー――主人公の山田純一はデブの癖にモテモテという憎たらしい男。美少女JKとはすでに入籍してるし――



 美人JDを不倫相手にするし――



 さらにはセフレもできそうだし――



 キーッ! まったく、悔しいじゃないですか!!
 そんな山田と女性たちの、あまいあまーいイチャイコラ三角(四角? 五角?)関係を描いた、ほのぼのラブコメ。


 間違ってない。微塵も間違ってない。

 というわけで、モテ期到来の山田の周りには、なぜか美少女、美女が不思議ととりまいてモテまくるのだが、わたしの一押しは、以前と変わらず、JDの牧野さんである。

 今回は牧野さんメインの第35話が秀逸。この話だけ何度もリピートしてしまった。



 牧野さんカワェェ。
 そんな彼女への山田の評価は――



 山田ァ! いやしかし、優しさがフルなあたり、実はけっこう山田の本命は牧野さんではないかと思ったりもする。

 ちなみに、山田の本妻、JKの佐々木さんは――



 彼ピッピの山田に躊躇なく平手打ちをかますメンヘラなのである。



 わかってるじゃないか山田ァ!
 そんなメンヘラ正妻なんか捨てて、牧野さんを幸せにしてやってくれぇ!
 しかし山田は牧野さんとさし飲みしても――



 山田ァ! 羨ましくてぶっ(ピー)すぞ!

 まぁそういう感じで、4巻もとても楽しく面白く、もう三回もリピート読みしてしまった。このシリーズ、ほんとに好きだなぁ、俺。

 ひとつ残念な点を挙げるならば、山田にメンヘラ耐性がついてきたのか、本妻JK佐々木さんのメンヘラぶりが少し弱まっている感じがするところ。このままでは、ただのラブコメに……いや、いやいやいや、ラブコメなんですけどね、本作、正道一直線のラブコメです。

 5巻では牧野さんがもっと報われることを祈って、栗井茶先生、また待ちます、一年……。

 ではアムカの傷が痛むので(ぉ、今回はこのあたりで。
posted by 結城恭介 at 08:00| 書評・映画評